渋い、渋すぎる下駄。何が渋いかと言うと鼻緒にご注目ください、これが竹縄鼻緒なのです!竹縄と書いて「たかなわ」と読みます。竹虎の草履には竹皮鼻緒がありますけれど、これは比べものにならない丈夫さ!かって現代のような強度の高いロープがない時代には、お祭りの山車が道路を通る際などに竹縄で結束していないと通行許可が下りなかったという日本では昔から最強ロープとして活躍していたものです。今では知る人も少なくなった竹縄の伝統を守り続けている人々が東秩父村にいるのです。
実は自分は昔から城郭ファンです(笑)お城そのものも好きですが更に好きなのは石垣。色々な積み方があるのですが驚くようや大きな石をどうやって運んだのか?現代に残るまで、どんな方法で崩れないように堅牢に積み上げたのか?それぞれに先人の知恵が詰まっていると考えるだけで時間を忘れてしまうのです。そして、そんな建設現場でなくてはならなかったのが竹縄だったのではないかと思っています。
強いだけなら他の自然素材でも例えば山葡萄のツルなどはかなりの強度があります。何回か職人さんから頂いたことがあって今も手元に持っていますけれど確かに丈夫そのもの、しかし、竹の圧倒的な違いは身近な里山に沢山あって手に入れやすかったことです。
現代においても継続利用可能な唯一の天然資源と世界的に言われるほどの凄まじい生命力も他にはあまり見られない素晴らしい特徴です。地下茎を伸ばし毎年筍を生やして増える様は自然素材に頼らなければならなかった当時には、まさに夢の素材、天の恵みのような存在だったに違いありません。
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