根付の孟宗竹に見事な彫刻がされています、自分達にとっては身近で昔から馴染みのある竹工芸品の一つです。ところが、新しく入社した社員が店内に飾ってあった別の製品を見て「珍しいですね、初めて見ました」と話すのを聞いてハッとしました。そうです、知らない方にとっては新しい竹細工なのかも知れません。
香川県指定伝統的工芸品のさぬき竹一刀彫を継承されている只一人の竹彫作家、西村文男(秋峯)さんは2017年に現代の名工に選ばれ2018年には黄綬褒章受賞された熟練の技を誇る竹芸士です。デパートでの工芸展などには精力的に多々出展されていて、竹虎とはその頃よりご一緒させて頂いていましたから考えれば既に30年以上のお付き合いになります。
前にもお伺いさせていただいた事のある工房二階の作品展示場室には所せましと数々の彫刻が並べられています。孟宗竹が多いのですが貴重な煤竹や、当社から送らせていただいた虎竹などもあります。絵柄や文字をダイナミックかつ繊細に彫り込んでいく技はずっと見ていても飽きません、特に面白いと思っていつも拝見していたのは、お客様の顔を竹に彫り込む似顔絵でした。
実は以前飼っていたゴールデンレトリバーのゴンを彫刻して持った事があります。いつも散歩に通っていた虎竹の竹林で撮った写真をお預けして製作いただきましたが本当にそっくりで驚いた事でした。今回は、そんな西村さんの技を詳しく拝見させていただく事にしたのです。
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