高知と愛媛の県境に近い仁淀川町に沢渡という所があります。土佐三大祭のひとつである、秋葉祭りが行われる所と言えば分かる方も多いかも知れません。高速道路が開通してからは、松山に向かう主要道路だった国道33号線もめっきり交通量が減って過疎化が進み現在では20人が暮らす集落。近年、ここで作られるお茶が注目されているのです。
高知市からUターンしてお茶の生産に取り組む岸本憲明さんは、会社を立ち上げて間もない頃に一度竹虎にお越しいただいた事があります。そんなご縁もあって沢渡茶の活躍にはずっと目を離せずいて県外の方へのお土産にさせて頂く事も度々あったのです。
しかし、同じ高知県内とは言え仁淀川町自体に馴染みがあまりなくて沢渡がどのような場所かも写真で見る事しかありませんでした。だから今回初めてお伺いする機会があり、この土地に立ってみて本当に驚いたのです。何と美しい場所なのでしょうか!?
眼下に仁淀川の見える急勾配の土地を耕し石垣を積んだ茶畑は先人の血と汗の結晶。なるほど岸本さんが地元に帰り、この景色を守りたくなるのも分かります、いや守らないでどうすると思いました。
祖父の背中を見て育ったと言います、この険しい地形が美味しいお茶を作ると言います、ところがその伝統も消えかけていたと言うのです、まるで自分達の虎竹とそっくりでした。
手入れされた茶畑、茶葉の収穫、大型機械が導入された加工場、地域ぐるみでお茶生産に取り組む本気さはビシビシと伝わってきます。凄い、この豊かな自然の恵みと気持ちの良い人達が生きる沢渡は凄いです。
岸本さんの経営される「茶農家の店 あすなろ」は残念ながらお休みされていました。かって、おじいさんが茶葉生産のために仲間たちと作った会の名前に由来する人気のカフェです。再びオープンしたら是非とも多くの皆様に行って実際に感じてもらいたいです。きっと心から感動します、そして高知をもっと好きになるはずです。
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