手の中にすっぽりと入ってしまうくらいの小さな網代籠は渡辺竹清作。虎竹の黒っぽい部分ばかりを選んで創作されている、これ程に小さいのに形が美しいのは、さすがに網代編みの巨匠だ。
かって編まれていたパーティーバッグがすぐに連想される。煤竹で編まれていた、この籠も小振りで口紅など少しの化粧品が入れられるだった。
さらにミニサイズになった籠に入るのは指輪かチョーカーやネックレスくらいか。収まるアクセサリーを厳選する宝石箱なのだ。
自分の愛用するロレックスは使い続けて32年目。この手のブランド物は、あまり好きではないがブランドマークの王冠が職人の五本指を表していると聞いてすぐ手に入れた。同じ物を使い続ける、同じ事をやり続ける、流行りには縁がないし一つの事しかできない。しかし竹虎は、こうして初代宇三郎から126年繋げてきたのだろう。
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