竹の魅力は奥が深い

無双編み籠


無双盛籠を漆で仕上げて欲しいというご注文をいただきました。それ自体はそれほど珍しい事ではないのですが、その理由が湿度の高い海外で使用するからという事なのです。そもそも竹は温暖で湿潤な地域に広く成育していますので竹細工や竹製品も多用されているはずなのですけれど、今までの竹籠はどういう訳か長く使うことができなかったと言われます。


無双籠


漆で加工して耐久性がどこまで高まるのか個人的にも非常に楽しみにしていますので仕上がりを心待ちにしている所です。漆は湿気に強い耐性をもっていますので、高温多湿の土地でその真価を発揮してくれるのではないかと期待しています。


ところで、この籠は無双編みの名人が修行をはじめて頃に編んだ古い籠です。どうでしょうか?見た目は拭き漆でも施したような質感です、もしかして既に漆加工した籠は今までに作ったことがあったのでしょうか?いえいえ、もちろん違います、漆は使っていません。名人が数十年前に編んだ籠は、長い時間の経過で元々は白かった竹がこのような風合いに変色しているのです。竹の魅力は奥が深い、しみじみ感じます。


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