鬼おろしをリニューアルした事には何度かお話しさせていただいていますが、タイミングは良かったのかも知れないと思っています。竹は毎年季節になると筍が頭をだし、3カ月で親竹と同じ背丈まで成長し、わずか3~4年で製品加工できるというサイクルの早い植物です。そのため継続利用可能な優しい自然素材のと言われます、そして同時に樹齢の長い木材などに比べて自然の変化を受けやすい植物でもあるのです。
虎竹の里では「霜が降りると色がつく」と聞かされてきた伝承があります。近年の温暖化で竹の色が芳しくなくり、それが本当だったのかと身に染みて感じているのが正直なここしばらくの感想です。気候の変化は虎竹だけでなく他の竹、例えばこの鬼おろしの素材である孟宗竹にも影響しているように思えてなりません。真竹などにしても、その年により微妙に差がありながらも全国的にその品質は段々に下がっているように感じます。
気温だけでなく、山の職人の高齢化が関係していることも考えられますけれど昨年のような竹製品への虫害は避けなければなりません。それが今回のリニューアルに繋がりました。薬剤を使って防虫するのではなく熱と圧力で蒸焼状態にする加工法ですので安全です。ただ良い事ばかりでもなくて色が黒っぽくなりますから最後ウレタン塗装のシミが見えやすくなります。昨年まで販売されていた本来の白い竹肌に慣れている方には又ご意見なども頂きながら、ひとつづつ進んでいかねばなりません。
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