夏の食事の定番といえばザル蕎麦は外すことはできないのではないでしょうか。近年のうだるような暑さの中、食欲も減退気味であったとしても冷たくキリリとして香りと喉越しのよいお蕎麦ならいくらでも食せてしまうものです。
竹虎では今春、定番であった蕎麦せいろをリニューアルさせてもらいました。
どこが変わったのか?もしかしたらすぐにお分かりいただけないかも知れません。実は材料として使用します孟宗竹を炭化加工する事により、以前は白っぽい竹肌だったものが少し茶色っぽい色合いになりました。
手間のかかってしまう炭化加工に踏み切った要因には温暖化等による気候変化もあり多発する中害の予防です。まだ少し時間をかけて見ていく必要がありますが、日本の竹材自体が変化しているかも知れません。竹を食う虫はチビタケナガシンクイムシという小さな虫とタケトラカミキリ、ベニカミキリというカミキリ虫の仲間です。
この箕も持ち手部分を小さなチビタケナガシンクイムシの食害にあって穴だらけになっています。自然界の中で生かされているので仕方ないとは思っています、しかし竹製品としては使用に問題はありせんが、やはり販売はできないので製品にしてから虫に食われると目も当てられません。
気候変化と共に原材料となる孟宗竹の竹林の管理が山の職人不足で十分でないことに要因があるかも知れません。虎竹の里の近くの孟宗竹の竹林で日本最大級の竹の開花を見つけました、孟宗竹は60年に一度開花と共に竹林全体が枯れるという不思議な生態を持っています。もしかしたら全国的に孟宗竹の持つ抵抗力自体が低下している可能性もありえます。
とにかく、このような状態では安心して製品を皆様にお届けすることはできません。そこで一番安全で効果の高い熱と圧力で竹を蒸し焼き状態にする炭化加工を施すことにしたのです。
竹製鬼おろしも同じ孟宗竹を原材料にていますので炭化加工してリニューアルさせていただきました。鬼歯だけが少し白っぽく見えると思われた方は素晴らしい!炭化加工にすると若干ですが強度が落ちるので、強い力のかかる鬼歯部分はそのままの竹に残してあるのです(笑)。
蕎麦せいろには、もちろんお蕎麦だけでなくて饂飩やそうめんなどもいいものです。炭化加工によりカビの発生にも効果アップしたリニューアルせいろで夏を乗り切ってください。
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