さて、昨日の梨籠に続いて同じく昭和40年代まで大量生産されていた六ツ目の角籠をご紹介したいと思います。梨籠が果物類を中心に入れられていた竹籠だとしますと、こちらはもう少し大きな白菜やキャベツ、大根などの野菜を運ぶための物だったそうなのです。
六ツ目の角籠と聞いて、まず思い浮かんだのが別の古老の職人さんの工房で見かけたことのある籠でした。大きなサイズですと野菜の重さも相当なものですから、このようにしっかりした力竹の入った籠を想像していたのです。
ところが復刻された籠はもっと簡素化されて沢山編むことに特化した籠でした。梨籠同様に規格化されたものだったと言いますから、やはり型があって複数の職人が作っても同じように完成するよう工夫されていました。
復刻された籠は真竹ですが、恐らく大きく丈夫な孟宗竹も使われた事と思います。薄い竹ヒゴで編まれた籠は一見弱そうにも感じるものの、竹特有の粘りしなりで重たい野菜を入れての持ち運びだとしても何度も繰り返して使えた事と思います。
消耗品としての籠ですから何処を探しても見つからないのですが、現代に自分達が遠くから送られてきた段ボールに再び荷物を入れて再利用するようにこの角籠も壊れるまで使われたのでしょう。まさに昭和の竹製段ボールと呼ぶにふさわしい強者です。
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