「竹は未来。」日本唯一の竹林でSilvia Furmanovichさんがそう言ったので思わず握手した。来社される当日までブラジルはサンパウロから訪ねて来られるという事以外は何ひとつ知らなかったが店舗で竹を見る目、話すしぐさが普通ではない。決定的だったのが竹林に続く山道に車から降りた時だ、吸い寄せられるように木立に進んでいく。都会的な装いと裏腹に自然に異様な興味と関心を持っているうように思えた。
気になって後で調べてみたらナオミ・キャンベルやグウィネス・パルトロウなどセレブをも魅了する世界的ジュエリーデザイナーだった。インスタグラムには魅入られてしまうような美しい彼女の作品が並んでいる。「竹は未来。」なるほど、だから分かっているはずだ。
竹レトロブローチを沢山お求めいただいたが、この竹細工の技巧と難しさを見抜いていた。
杉とヒノキが混在する林では、杉か?ヒノキか?訊ねられたが、こんな事はあまりないのである。
淡竹の仲間である虎竹は節の輪が二本なのに対して孟宗竹は節の輪は一本なので誰でもすぐに見分けられる。多くの人にはあまり関心を持っていただけない話にも食い入るようだった。
虎竹伐採は1月末まで、ちょうどこの竹林は竹を伐り倒したばかりでSilvia Furmanovichさんに今しかない竹林をご覧いただく事ができた。
本当は前日にお越しいただく予定が、自分の都合が悪くなり翌日になった。しかし、そのお陰で天気に恵まれ最高の一日を過ごしていただけたと思う。竹に招かれている方は、いつ来られても最高のコンディションなのだとつくづく感じる。そして、世界を旅してインスピレーションを得て作品を作られているという事なら、もしかしたら虎竹も何かの形でジュエリーやバッグになるのだろうか?そうであれば心から楽しみだ。
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