竹は知れば知るほど知らない事ばかりだ、この鮎籠の形を何と言えば良いだろう。四方を海に囲まれ水の豊富な日本ではそれぞれの地域に根付いた竹で様々な形の魚籠が編まれてきたが、これは今まで見たどの籠とも違う。もしかしたら似たような、この形に繋がる手がかりになるような竹編みがあっても良さそうに思えるが、自分には分からない。
若い頃からこの魚籠を使ってきた、投網で捕った鮎を50匹も入れて重たくなるほどだった。籠を編む手を止める事もなく、ひょうひょうと古老は話す。魚を傷めないためだと言うデザインは、ある日突然に清流が谷間をぬうように続く山深いこの地に生まれたのだろうか。
ボソリ...、職人が編み進める籠を見ているうちに気になる事を呟いた。
海外から...?ますます面白い。竹細工の技はもともと大陸から伝わったものであるし東南アジアなどとそっくりな魚籠が日本で編まれてきた歴史もある。興味が尽きない竹の謎は、編み上がって間もない青さの残る籠が職人の持つ飴色の鮎籠のようになるまでに解けるだろうか?調べた後にまたこの30年ブログで報告したい。
コメントする