「竹皮」と普通に呼んでいて日頃から目にしていますので全く何とも思っていませんでしたけれど竹皮が一体何なのか?と疑問に思われている方も中にいると知って驚くことがあります。もしかしたら竹皮の名前が分かりづらいのかも知れません、竹の皮だから竹林に生えている竹のどこかに皮が付いていると想像されるようなのです。
竹皮とは正確には筍の皮の事です。筍は、たったの3カ月で20数メートルの竹に成長しますのでその過程で筍の皮を一枚、また一枚と脱ぎ捨てるようにして伸びていくのです。この脱ぎ捨てられた皮が竹皮です、季節に竹林に入ると筍から竹に変わりつつある竹があちらこちらに生えていますが脱ぎ切れていない竹皮は剥がしては竹が傷んでしまいます。
完全に脱いだ竹皮だけを拾い集め天日干しして加工された物が皆様の知っている竹皮です。しかしこの竹皮を集める職人も高齢化が進み日本の竹皮の99%は竹林で朽ちているのが現状です。
天日干しした竹皮は焼いたスルメのように丸くなりますので平らにのしていく作業が必要です。そして全て自然素材のため太さや色合い、キズなど見極めながら選別していく技がまた凄いのです。
今では見られなくなった神業とも言える熟練職人の技、こうして動画で見ていてもあの日の竹皮工房の空気感をつい先日の事のように思い返されます。手際よく選り分けていく職人の格好良さ、自信に満ちた表情、凛とした雰囲気、まさに圧巻でした。
竹林に行けばいくらでもあるものではありません。その季節に筍が落とした竹皮だけを集めて行きますから毎日のように竹林に入るのです。そうした手間をかけ天日干しして作られる国産竹皮、少なりつつあるものの出来る限りお届けできればと思っています。