虎竹や白竹で編むランドリーバスケットは、もともと竹表皮を薄く剥いだ「磨き」と呼ばれる竹ヒゴで作る伝統の脱衣籠を参考に作ったものなのです。今では編まれる事のなくなった円形の脱衣籠を遊び心で楕円にして家族で使っていたという籠に出会いました。
40年前か、それとも50年前か愛用している記憶も定かでない籠は節部分などご覧いただくと良く分かるように竹表皮が薄く削られていて、磨き特有の深い飴色に変わっていて眺めていても飽きません。
口巻が粗いのは若い頃に作ったからではありません、自分用に使うのでお客様用のように丁寧に仕上げていないのです。未熟な技で綺麗な仕事ができない職人とは全く異なる粗さはかえって魅力的に見えました。形の美しさにも心底魅了されて譲っていただいた籠、横に置いているだけで気持ちが豊かになってきます。
ふと気づけば自分の回りは、こんな愛おしい竹籠に囲まれています。つくづく竹はいいものです。
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