温泉籠、湯籠とも呼ばれる青竹の籠は文字通り温泉用として編まれたものです。浴衣姿で片手にこの竹籠を提げて歩くお客様を温泉地で見かけた方もおられるかと思います。
材料となる真竹もちょうど今頃が伐採のシーズン、豊富にある竹の中から良質のものを選んで編むことができる籠にとっては良い季節なのです。
真竹を温泉籠のように竹素材のそのままに編むこともあれば、油抜きをした白竹(晒竹)にして籠にする事もあります。最近見て綺麗だと思ったのは壁に掛けられていた飴色になった籠、真っ白だった竹がこのなるので面白いものです。
真竹をそのままでも無く、油抜きするでも無く、竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴで編む細工を「磨き」と呼びます。伝統の土佐網代の手提げ籠バッグはまさに磨きの逸品ですけれど時間の経過と共に右の色合いが左のように深みのある色合いに変わってきます。竹は育つものだと、つくづく思っています。
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