今年は40年、50年前の竹細工、竹製品をデッドストックという形でご紹介させていただく機会が何度かありました。この白竹製の盆ざる(オーバーナイツ)も実はそのような昭和の時代に人気だった竹細工のひとつなのです。
オーバーナイターと聞くと随分前に愛用していたハートマンというアメリカ製の鞄を思い出します。確かベルティングレザーという工業用にも使われる丈夫な革が使われていましたが、自分と同じように1、2泊の旅行用鞄を思い出される方が多いかも知れません。
しかし、オーバーナイターには携帯電話や腕時計など身の回りの小物を一晩置いておく収納ケース(忘れな盆)という意味もあって実は50年前には竹製の盆ざるオーバーナイターが世のお父さん方の間で人気だった事があるのです。
当時は、どのご家庭にもコタツがありましたので座椅子の横に置かれた竹製オーバーナイターに腕時計、煙草、ライター、財布や鍵など毎日持ち歩く大切なものを入れておきました。就寝時には枕元まで持って行って慌ただしい翌朝に備えるために長い持ち手が付いていました。
先にお話ししたハートマンのベルティングレザーが好きだったのは使い込むと飴色に変わっていく革の光沢でした。この白竹細工も時間の経過によりこれだけの色合いに違いができるのでたまりません。
それにしても、こんな歴史と格好良さのある竹ざるがあれば忙しい朝も気持ちよくスタートできそう。もちろん慌てて何か忘れものをした等は皆無です(笑)。
コメントする