古都のお寺には沢山の方が訪れて庭の美しさに目をうばれていますが、あの庭園の管理には大変な労力と技が隠されている事をご存知でしょうか?そのひとつとして、ここに京都は松井竹材店さんの製作される小さな手箒があります。全長約45センチ、別になんという事もないとお思いかも知れません。
ところが少しご覧いただきますと尋常ではない作りに気がつくかと思います。
丁寧にまとめられた竹の小枝、切り口、節、漂ってくる品格、ちょっとしたアート作品のようにも見えます。
更に目に見えない品質がこの細やかな竹穂です。
この柔らかな竹穂があってこそ庭園を美しく保っている苔の手入れが出来るそうです。しかし、この竹穂は若竹の穂でしか作られません、竹細工に適した3~4年竹では最初は柔らかい竹穂が次第に硬くなり使えないと言われるのです。
普通の竹林では若竹など伐採しないので、それでは枝の入手は困難ではないかと思いがちですが、さすが京都は竹どころ上手くできています。図面竹を生産する向日市、清水銘竹店さんでは1年竹を伐採しますので、その竹穂が手箒に使われるのです、
この手箒あってこそ、あの青々とした苔の庭が楽しめると思うと小さな手箒一本を見る目が変わってきませんでしょうか。
それにしても、あまりの美しさに床の間に飾りたくなるほどです。ちょっと試しに置いてみました、末広がりの形が縁起も良さそうです(笑)。
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