素朴な竹籠に魅かれるのは編み目の向こうに人の暮らしが見え隠れするところだと思う。中でも磨きと呼ぶ、竹表皮を薄く剥いだ竹ヒゴで編まれた籠やザルは出来たばかりの時からは思いもよらない色合いが深まり、長年愛用してきた本人にすれば
無二の友人のようにも思えて手放せない。
同じ編み方でも竹素材が違えば出来あがる籠は全く違うし、飯籠や米研ぎざるが家族の人数が少なくなるにつれて小さくなっていくのが面白い。
この脱衣籠は昔からあった伝統の籠を自分達流に楕円形に編んでいる、家族で使うから縁巻も粗い。まあ新しい籠といっても40年か、もしかしたら50年近く前のものだと言うので竹細工の息は長いのである。
婚礼が決まると鯛の尾頭付きを入れて挨拶に行く高知伝統の祝儀籠、残している籠を元にして忠実に再現してみた。小さい頃には見かけていたものの、今では全く流通していない籠なので若い職人もはじめてで戸惑ったようだが良く編めている。祝いの門出の籠だから、どうしても展示に使いたいと思っていた、ギリギリセーフで一安心だ。
■パリ会場
会期:1/24~4/10
1, rue Dante, 75005 Paris, tel : 01 44 41 50 10
■リオン会場
会期:5月初旬~10月中旬
46 Rue du President Edouard Herriot 69024 Lyon, tel : 04 78 38 30 40
■ツールーズ会場
会期:10月下旬~翌1月末
5 Rue Croix Baragon 31000 Toulous, tel : 05 61 14 51 50
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