職人さんが編むことができなくなった籠の一つに御用籠があります。少しの年配の方でしたら昔よく走っているのを見かけていたホンダ・カブや自転車の荷台に太くて真っ黒いゴムで縛りつけていたのを覚えておられるのではないでしょうか?丈夫な荷物入れとして多くの方に愛されてきた四角い竹籠が御用籠でした。
丈夫さの秘密が縦横に何本も入っていた骨太い竹ヒゴです。重たい荷物を入れて少しくらい乱暴に使っても平気なくらい、これでもかっ!というほどの力竹でした。今回新しく製作した新御用籠も昔ながらの作りとまではいかないものの出来るだけ堅牢に仕上げていますので野菜籠等としてお使いいただけます。
竹はちょうど伐採の時期を迎えていて御用籠の材料でもある真竹で編まれる籠やザルも少しづつ出来あがりつつあります。せっかく生えてくる竹です、虎竹の里の竹だけではなく真竹も活かせるものは100%活かしていきたいというのが自分の気持ちです。
出来なくなった籠もあれば、新しく出来るようになった籠もあってこうやって竹文化は繋がっていくのだと思います。足技の凄い職人が真竹で竹ざるをスピーディーに編んでいます、まるで手が四本あるかのような達人技。このような技術はこれから先は少なくなっていくのかも知れません。
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