先日から何度かこの30年ブログでも話題となっている気候変動による自然界の変化。虎竹の色付きは数年前から感じていた事なのですが今年一番多く見られた竹の変化の一つに竹の虫による食害がありました。
この真竹に開いた大きな穴はタケトラカミキリという虫によるものです、表皮だけを残して竹の中身を食い荒らしてしまうので最悪の場合には手で軽くつまんだだけでボロボロと竹が崩れてしまうほど。同じ仲間で姿形はそっくりなベニカミキリという赤い虫もいて対処には例年対処には苦労しているのです。
久しぶりに箱を開けて覗いてみた竹簾には普通には見られない粉のような物が落ちていますけれど、これがチビタケナガシンクイムシの仕業。
3ミリ程度の小さな虫なので、このように竹粉が落ちてきてはじめて食害に気づきます。
孟宗竹、真竹、淡竹など竹の種類に関係なく食害にあいますけれど放っておくと薄い竹ヒゴなど切れてしまいそうになるくらいの旺盛な食欲なのです。
気づいた時にすぐに熱湯をかける、竹の様子を見ながら浸けこむなどして食害を止めます。一度では食害が止まらないことも多く何度か粘り強くやらねばなりません。
光に透けてみると、こんな甚大な被害の事もあるのです。こうなると強度も落ちてしまい安心してお使いいただく事はできません。自分たちは竹がこのような食害にあわないようできるだけの管理をしていますがどれも100%ではないのが現状です。
もちろん薬剤などは自分自身が大嫌いなので使用しませんが、どうかすると建材等で防虫加工されたものでも食害がある場合もあるのです。あまり竹の虫について語られることはないものの、これも竹の自然の姿です。古来こうして竹と日本人は寄り添いながら暮らしてきた事を竹製品をご愛用いただく皆様にはご理解いただきたいと考えています。
そして近年の気候変動による食害の変化には注意深く見ていくものの原因は環境条件だけではなく山の荒廃であったり職人の高齢化であったりと自分達自身の問題でもあるように感じています。
「NO BAMBOO NO LIFE」、竹のない生活はありません。これから竹のある暮らしをご提案していく中で、ご愛用いただく皆様に竹を知ってもらう事がますます大切になってきました。
コメントする