今も台風による大きな爪痕が残されている日本では気候変動による災害がテレビニュースでも取り上げられています。これからは海面の温度が高くなることによる台風の大型化も心配です。温暖化によって自然界の生態系も少しづつ変化が見られるようになり南方系動植物の北限が年々北に上がっているという専門家の話も聞きました。
そんな事も影響しているのか近年、竹材が虫に食われる事が非常に多くなりました。この小さな穴はチビタケナガシンクイムシの食害にあったあとです、このような穴が沢山開いて最悪の場合には竹材の強度もなくなってしまいます。今までこんなに虫が入る事は無かったのに...と職人は口々にいいます、ずっと昔から同じように管理してきた竹たちです。ゆっくりとではありますけれど変化しつつある大きな自然の流れを感じずにいられません。
山の職人の減少によって荒れてしまう竹林が多くなっている事も一因だと思います。竹が成長が早く素晴らしい素材であって、これからの未来に向けてもっともっと活用されるべきものだと言うことは常々申し上げている通りです。しかし、竹の三悪「割れ」「カビ」「虫」を忘れてはなりません。昨日は丈割竹(壁竹、木舞竹)のお話しをさせてもらいました、実は昔から「竹の旬は壁竹職人に聞け」と古老の内職さんが話していた事を思い出します。
つまり壁竹は長く使う住宅の壁材として使われる非常に大事な部材です。虫害にあうような事があってはなりません、特に武家社会だった頃の竹材管理の不備は切腹ものだったそうですから命がけで竹林を観察し読み切っていたのではないでしょうか。
竹虎では竹伐採の期間などについてルールを厳守するだけでなく虎竹以外の竹素材についてもこれから出来うる対策をしていかねばならないと考えています。
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