国産竹皮スリッパ製造、こんな手間な仕事を他に誰かしていますか?

国産竹皮スリッパ製造


工場で竹皮スリッパのEVAスポンジ底を削る音がしていると、ついつい引き寄せられるように足が向いてしまいます。竹虎の国産竹皮スリッパは全て手作りですが、何と底に張り付けるEVAスポンジまでも手削りなのです。こんな仕事をしている履物業者さんがいたら教えていただきたいです(笑)しかし、これも宿命、型押しに頼らず竹皮本来の履き心地にこだわり続けるために竹皮底も全て職人の手技で形を整えています。


一度でも竹皮に触れた事のある方なら既にここまでて凄い神技だと感じるはずです。それくらい竹皮草履を真っ直ぐに編み込んでいくことは難しい。型押しして竹皮の形を全て均一化すればEVA底の形も同じで良いので機械で型抜きして大量に安価に製造できるのです。しかし、手編み竹皮はそれができない、それをしない、だから履き心地が違うのです。


竹皮は海外からの輸入ばかりになってしまい地元の竹林で竹皮を集め、昔ながらの職人が編み込む竹皮草履など他には全く見当たりません。最近は海外の人件費も高くなって製品になった時に価格が反対に高額だったりするので、昔からの竹虎のお客様はそうでもありませんが初めての方の中には国産か中国製か分からない方も多いようです。そこで、わざわざ「国産」とつけるようにしています。


国産竹皮スリッパ製造


手削りの竹皮スリッパを知らない履物業者さんがご覧になって「打ち抜きだね」と言った時は嬉しかったです。それだけ綺麗な仕事をしている証だからです。あれから何年になるでしょうか?この竹皮スリッパを製作できるようになるには色々な試行錯誤がありました。


グラインダーで削る際には細かいホコリが出るので当時の工場内で加工作業できず屋外でやっているうちに暗くなり店舗横にあったコカコーラの自動販売の灯りで仕事していた事を懐かしく思い起こします。道行く人が怪訝な表情で首をかしげなら通り過ぎて行く、竹を何とか残したい、形にしたいともがいていた頃の事です。




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