レッドブルボックスカートレース(RedBull boxcart race)の開催される、よみうりランド特設会場に到着するとまず最初に当日まで分からなかったレースコースが気になり見にいきます。
スタートからの直線はかなり急勾配だと感じましたがそれほど問題ではありません。障害物であるタイヤスラロームに注意すれば何とか行けそうです。
難関はコースを大きく曲がった先に次々に現れてきます。まず、「サムライゲート」と呼ばれる赤い鳥居のならぶ箇所がありますが、この路面の凹凸は地味ですがクセ者です。
そして初めて見るシーソー。高スピードのまま上がってしまうと危険との事で手前でブレーキングしてから通過するルールがありました。
今回の審査員にはスキージャンプの高梨沙羅さんが来られていましたのでジャンプ台がひとつの見せ場になっていて、もしかしてとんでもない特別仕様なのか?少し心配していましたけれど予想したほどではなくてホッとしたものの、やはり高さはこれだけあります。
そして、ゴール目前の最終コーナーにサーキットコースにあるような傾斜角度のついたカーブが待ち構えています。
実は高さもかなりある上に思った以上の勾配があります、ここでリタイアするチームが多かった魔のカーブです(笑)。
コースの下見をした後はレース出走までピットで待機。
走るのは59チーム中46番目という事でかなり後の方です、予定では7時間ほどあります、曇り空からポツポツと雨が落ちてきていました。
レース前日にレッドブル担当者さんによる車体検査を受けています。四輪である事や、車体サイズ、ブレーキなど安全面はもちろんデザイン等にもルールがありパスした証のシールを貼ってもらっていました。
この8月に参戦したスペイン・ビトリアのレースは一人でしたが、今回のレッドブルでは職人あわせて4人のチームで参加できているのが大きな違いであり、遠く東京まで来て走る意味でもありました。
右前輪の不具合が見つかりましたけれど安心です。
車体はじめ万全の体制で走ることだけに集中できそうでした。
ピットにいると色々な方が声をかけていただきます。わずか1.5キロの狭い地域にしか成育しない不思議な虎模様の虎竹の事をお話しできる良い機会です。
そんな中、2016年「チャレンジラン横浜」で高知から竹トラッカーで走行している事を知って静岡県まで応援に駆けつけてくれた坂本さんが観戦に来てくれて感激しました。
ピットにはズラリと凝りに凝ったボックスカート用車体が並んでいます。一回り他のチームを見てまわります、目についたのはメタルなイノシシのREVERSE MAKER HI-Dさん。
地元東京、OMOTENASHIさんは来年の東京オリンピックを体現されているまさにタイムリーな素晴らしいチームだと感じました。
こちらのチームは日頃からお客様の前で演技をされているのかパフォーマンスの練習を拝見させていただいたのですがレベルが違いました。「凄い...」口があぐりになるような素晴らしい殺陣です。何という強豪が集まっているのかと思い知らされたEDO WONDERLAND 日光江戸村さん。
京都からのOHANABATAKEさん、車体も衣装、そしてコンセプトまで凝ってます。
大阪のBUILD BANG RACINGさんも戦隊コスチュームや役になりきったパフォーマンスは素晴らしかったです。どれだけ時間と費用をかけているのか?本気で遊んでいます。
こちらも東京のTEAM SECOND-DRIPさん。
イチゴがいっぱいの鹿沼YEGベリー隊さん。
栃木県から来られた米俵を模した、おこめ倶楽部さん。
横浜CJ CAFEライトニングさん。
東京、お義父さんと娘婿さん。
安藤家さん。
人気ユーチューバーの水溜りボンドさんは、さすがの作り込み。ファンの方がひっきりなしに写真撮っていました。
お隣のピットには千葉からのSAILUP JAPAN DREAM TEAMさん。見れば見るほど細部までしっかり作られていて、パフォーマンスも満点、かなりの強敵です。
さて、素晴らしいチームばかりの中で、特に東京のNONMOTORIZEさん。
この竹虎四代目の表情をご覧ください。モトクロスバイクのメンバーの皆さんが集まって製作した車体は驚きでした。
こんな皆さんとレースするのかと思うと、正直自信が揺らいでしまいました。
そして、竹虎REIWA-125号の出走、レースは始まります。
こちらの動画をご覧いただきますと竹虎のパフォーマンスからレースの様子が分かります。
走り終えて、後は結果発表を待つばかり。
ステージ前にはレース参加チームはじめ関係者、観客の皆様が集まりって審査員の発表を固唾をのんで見守ります。
あれだけの強豪がひしめく中、まったく未経験のステージ、田舎から出てきて雰囲気に圧倒された初出場です。この時には職人は入賞など夢にも考えていません。
声が聞こえたのは、この時。
「入賞したよ、おめでとう」竹の声でした。
大きくガッツポーズをしました。
係りの方が舞台袖に来て欲しいと呼びに来られたのは、この後。入賞は確実なものの、一体どんな賞なのかドキドキしながらステージを見ていました。
結果は昨日もお話しさせていただきましたようにレッドブルボックスカートレースの59チーム中、なんと総合第2位!
評価基準は「クリエイティプ」「パフォーマンス」「タイム」の3点あって、パフォーマンスやタイムでは他チームに圧倒されていましたので日本唯一の虎竹に助けられと思います。
この日は朝からほとんど何も食べていなかった事もあり打ち上げのバーベキューは特別でした。
東京に行く何日も前から「優勝」の文字はホワイトボードに書いていました、ただ誰も本気にはしていませんでした。
昼間走ったコースを最後に歩いてみました。まだまだ先の道のりは果てしなく遠い気がしています。