竹は稈が空洞になっていて身の部分が薄いために厚みのある角材にする場合には集成材にします。集成材とは一定の幅と厚みにした竹材を接着剤で固めたもので、この角材を使う事によって木材と同じような加工製品が可能になります。
竹集成材と言うと厚みのあるフローリング材か真っ先に思いだされますが、集成材を薄く剥いだ使い方もあります。たとえば、竹と弓道は昔から切れない関係で現在でも竹や矢は天然の竹を使って職人が作り上げるものもあります。矢竹と言う竹は、細く真っ直ぐで節も低く文字通り矢として適材なので武家の庭先によく植えられた竹、幕末に活躍した新撰組の土方歳三が植えた矢竹が残されてるのは有名なお話しです。ところが、この矢に薄い集成材が使われたものがあるのです。
何を隠そう明徳高校時代には弓道部に籍を置いたこともありますが使う矢はジュラルミン製のものばかりでした。この矢は一見天然竹のようにも見えるものの実はカーボン製の矢に0.25ミリ程度に剥いだ竹集成材が使われたものなのです。見た目もナチュラルで競技者の方に好評と聞きます。
薄く剥ぐことによって不燃壁材に貼りつければ消防法の規制に適合した壁材となりますので用途が広がります。この壁材は竹の節のような型押しをして面白い風合いをだしていました。
木材加工で見かけるハツリを入れた壁材。
集成材は自動車の竹ステアリングに採用されているほどの品質や精巧な加工ができる素材ですので、厚みを変えて編み込みにするなど何でもない事です。国産竹材の有効活用のひとつとするにはコストが大きな課題となるものの発想次第で様々な進化の可能性を秘めています。
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