「担いでいるのは井戸の蓋です」そう申し上げても最近では井戸は見かけないし蓋といっても一体どのようなものなのか知らない方が多いので、井戸蓋とは何か?この竹をどう使うのか?疑問がいっぱいかも知れません。
今では随分と少なくなったものの自分の小さいし頃には虎竹の里にも普通にあちらこちらに井戸がありました。母や祖母が井戸水を大きな金属製のタライに汲み上げて洗濯板を使うのは毎日の生活の光景でした。家庭にあった井戸は言ってもそれほど大きなものではありせんでしたし水を汲みあげる手押しポンプが取り付けられていたように思います。竹を棕櫚縄などで縛って簾のように編んだ井戸蓋などは使われていませんでした。
井戸蓋の写真を見てもらうと「ああ、なるほど」とご存じの方もいるでしょうし、どのような物かご理解いただけたかと思います。担いでいる竹の長さをご覧いただいてお分かりのように今回作らせてもらった井戸蓋は少し直径の大きな井戸に使うのだと思います。
しかしお客様によってはまだまだ大きなモノをご要望いただくこともあり、庭に沢山の鯉が泳ぐ池一面に井戸蓋のような設えをされる方もおられ3メートルを超える長さの太い孟宗竹を極太の棕櫚縄で縛って繋げたものを製作した事もあります。この大きさになるとちょっとした竹の筏のようでした。
そう言えば小学校の頃に孟宗竹で筏を組んで海で遊ぶのが流行った事があります。一つの筏に7~8人が載っていたと思いますが、雨の日でも傘をさしてまで漕ぎ出していましたから余程楽しかったのだろうなあと懐かしく想いだしています。
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