本日は2009年9月18日にタイのバンコクで開催された第8回世界竹会議(World Bamboo Congress)において宣言された世界竹の日(World Bamboo Day)です。
さて、そこで今朝の竹虎前掛けは昨年の世界竹会議の時に特別に刺繍を入れて作ったスペシャルバージョンを腰に巻きます!日本ではほとんど知られていない世界竹の日(World Bamboo Day)を一人でも多くの方に知っていただきたいのです。
実は日本にも全日本竹産業連合会が1986年(昭和61年)に制定した「竹の日」というのがあって、七夕でもあり又かぐや姫の生誕日とも言われている7月7日がその日になっています。
自分は昨年の世界竹会議メキシコで基調講演をさせていただいた後京都大学農学博士の柴田昌三先生に続いて日本で二人目の世界竹大使(World Bamboo Ambassador)に任命いただいています。
しかし、世界竹大使とは一体何なのか?
世界竹大使は世界竹大使は世界竹組織(World Bamboo Organization)によって選ばれ竹を取り巻く現状と天然資源としての無限の可能性を世界に対して発信していく使命が与えられているそうです。自分は研究者でも学者でもありません、竹の権威である柴田先生のような働きはとてもできない田舎者ですが別に今までと歩んで来たと全く同じです。これからも身の丈にあった自分達の竹の道を行くだけなので何ら変わったことはありません。
そう言えば昨年のこの時期には日本最大級(その後の調査で日本最大規模と判明)の孟宗竹開花竹林を発見して「世界竹の日」も忘れていたようです。孟宗竹だけでなく淡竹(はちく)そして金明竹の開花も相次ぎました、孟宗竹は60年に一度の開花、淡竹にいたっては120年に一度の開花なので何という節目かと思っていたのです。
このような長いスパンの開花ですから竹林を所有される地元の方々や古老の職人ですら知らないはずです。最初に竹の花の事を告げると目を丸くして皆が驚いていた事を思い出しますが、竹の開花で大騒ぎするのはその後の竹が全て枯れてしまうからなのです。元のような竹林に再生されるまでは10年と言われているものの、竹細工や竹製品として加工材としての竹林に復活できるのには更に5年はかかりそうですので深刻な問題なのです。
60年、120年に一度しか咲かない花、それだけでも不思議な生態を持つ竹。興味の尽きない竹は熱帯系の植物であり赤道を中心に世界に分布しています。日本の皆様からすれば東南アジアの竹には少しは馴染があるかと思います、しかし、南米やアフリカなど遠い国々にも竹は多く大きな可能性を秘めています。
熱帯のジャングルで大きく高く成長する竹は日本で見たこともないような建物に建材として使われています。
成育域の北限である日本では雪に中で逞しく生きる竹の美しい姿を見られます。
虎竹の里は、海から見てもわずか1.5キロの幅しかない狭い地域です。この谷間の山頂までしか虎模様の竹は成育していません。
国や地域によって、それぞれ違いがあって多様性のある竹。竹林に入ると、それぞれ一本づつの竹が独自に生えているように思える竹。ところが、竹は地面の下で地下茎が縦横無尽に伸びて皆と手を握りあうかのように繋がっています。
「地震の時は竹林に逃げろ」
幼い時から教わりました、天然の鉄筋コンクリートと揶揄されるほどの強靭な竹根が張り巡らされているからです。世界には分断のニュースが流れています、竹のように助け合い支え合う事はできないか?世界の竹の日に竹の姿を思い出し、人が見習う日にしなければならないと思います。