毎年の夏の恒例となっていますインターンシップが始まっています。昨日はスペインより凱旋のREIWA-125号をお出迎えいただきましたが本社研修では工場での製竹や店舗での業務などを体験いただいています。
今年は10名のインターンシップ生が来ると言うことで、人数が多くて大変なら久しぶりに若い皆さんと向き合ってみようと思いました。
それにしても一人一人素晴らしい学生さんばかり、帰って来て履歴書を改めて見直してみると...何と縁もゆかりもない県外からも来て頂いています。
ダイヤ改正によって高知駅近くから朝6時前、始業時間の一時間前に会社に到着する汽車しか走っていない不便さを乗り越えて通ってくる学生さん、本当に凄い。
「効果は移動距離に比例する」竹虎もずっとそう自分に言い聞かせてやって来ました。きっと実りの多い、忘れられない夏に絶対になると思っています。
スペインのレースで着用した虎竹アーマーも実際持ってみると質感、重さ、細部の丁寧な作り込みが良く分ってもらえます。
花籠作り研修で竹のバラが手に刺さったという学生さんの話を聞いて、あの内職のおばあちゃんの手を思い出しました。枝折戸の仕上げを、障害を持つ息子さんと二人で朝から晩まで懸命にやっていただいていた方です。
「若さん、仕事持ってきとうせ」
これが、いつもの口ぐせ。現金収入は竹虎の仕事だけだったのです。湿らせた棕櫚縄を扱うシワだらけの小さい手はツメの間まで一年中真黒でした。
「どうか買ってください!」
売り出して行っても全然売れなくて思わず日本橋の高島屋でお客様に土下座した事があります。そんな事で何とかなるほど甘くないと自分でも分かってはいましたが、あのあおばあちゃんの手を思い出すとどうしても手ぶらで高知に帰れなかったのです。若いインターンシップの皆さんに話していて泣けてきたのは当時の惨めさではありません、今の竹虎の礎とも言える勇気をもらった、おばあちゃんに会えない寂しさです。
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