現代人は竹を忘れています。ほんの数十年前までは日本の住宅には竹が多用され、台所や居間では竹製品があちらこちらで使われていました。家の中だけでなく休日にお洒落して出かけて行く時にも竹は大活躍、竹のヘアーアクセサリー、竹のブローチ、竹のベルトなどもありました。そして手には竹のハンドバッグやお買い物には竹の手提げ籠が定番だったのです。
懐かしく思い出される方もおられませんでしょうか?しかし、ほとんどの方にとっては初めてご覧になられる、ちょっと目新しい感覚のハンドバック達かも知れません。それもそのはず、この竹ビーズハンドバッグは国内で45年以上前に販売されて一世を風靡していた製品達なのです。
バッグに中には一つ一つに綺麗に折り畳んで白紙で包んだ新聞紙が詰められていました。「輪島ツナの意地」などと相撲の見出しを見るだけで時の流れを知る事ができますが、日付をみるとなんと昭和49年(1974年)ちょうど45年前。
長い長い眠りから数十年ぶりに復活した竹バッグたち。おそらく今の時代に日常使いしているのは自分の母くらいではないかと思っています。先日も会合にこの黒いクラッチバッグを手にしていました、すでに50年近く愛用しています。
思えば復刻した虎竹バックニューヨーカーも元々のデザインは60年も前に編み出されていたもの、昭和は竹にとっても幸せな時代だったに違いありません。
奇跡のデッドストックの中には母が使うのと同じような竹クラッチバッグもありました。ジッパーの中を開けるとシミになっているものもあるものの外側の竹ビーズは自分の小さい頃の記憶のまま。当時の竹製品の技術力の高さに感激しつつも在庫限りながらご紹介できる幸せに浸っています。
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