最近は糖質ダイエットなどもあってご飯を控え目にされている方も多いようですが日本人に馴染みの杓文字はどこのご家庭にもあるかと思います。なので、この竹を削りだして作った竹杓文字の大きさが普通でないことは良くお分かり頂けるのではないでしょうか?
杓文字は木製のものが一般的かも知れません。木の場合には大きな角材を切分けてから一本づつ削りだしていきますので比較的に材料調達も容易ではないかと思います。ところが中が空洞になっている竹の場合には厚みのある大きな杓文字を製作するとなると竹材選びから大変になるのです。
赤道直下を中心に成育している竹は元々熱帯系の植物で温かい場所を好みます。日本の竹の北限は温暖化によって今では函館あたりとも聞きます、けれどやはり寒い地方の竹は小振りです。山形県庄内地方に孟宗汁という郷土料理があって一度お伺いさせてもらった湯田川温泉などでは誰も彼もが「孟宗竹愛」があふれています。
その愛情に感じ入り、孟宗竹の美味しさにも驚いて竹林まで連れて行ってもらいましたが西日本の竹に比べるとかなり小さいと感じました。
ところが、そんな太い孟宗竹がスクスクと育つ四国や九州にあっても厚みのある材料を使うとなると元に近い個所になってしまいます。竹は元に近くなるほど節間が近くなっていますので竹杓文字を作るとこのように竹節が入るのです。
この竹節を好まない方もいるようですが果たしてどうでしょうか?人に節目が大切なうに、竹もこの節があるから強いのです。これからやってくるであろう台風の強風にも折れません。青竹踏みなど強度を保つために、わざわざ必ず二節を入れて作っているほどです。
お箸に天節があるように見た目の格好良さと竹ならではのデザインとしても節は格別です。クールです、本当に美しい、これぞ「Cool Japan」です。
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