久しぶりに懐かしい竹根の団扇立てに出会う事ができた。竹は根から葉まで捨てるところなく利用されてきたが特に竹根は見た目の面白さだけでなく、しなりと粘りと強さもあり太さも様々だったので小物からステッキなど大きな物まで色々な製品に加工されてきた。喜劇王として知られるチャップリンのトレードマークとして持っていた竹根ステッキも日本製だった。
それにしても50年前の創業当時に製作されたものだという団扇立ては色々な形があって見ているだけで楽しくなる。現在でも竹は沢山あるものの竹根を掘って提供してくれる人がいなくなった、そして在庫がある限り製造を続けていた職人が一人、また一人とやめていく。
そんな中、この竹根の盛器は当時の職人の技術の高さと心意気を感じて嬉しくなる。曲げの角の部分には焼け焦げが見える、これはダメだろうか?いやいや、これがまた大量生産されていた証であり、小さい頃から慣れ親しんだ職人仕事の名残りのような気がして愛おしいのである。
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