壊れた竹籠が持ち込まれてきました。根曲竹という丈夫さが自慢の竹で編まれた籠ですけれど、やはり十数年手近で愛用していれば何処か傷んでくるものです。
今回は2つの籠の持ち手部分が壊れていましたが手直しするとどうでしょうか?一体何処を修理したのかと思うほど全く分からないように元どおりの籠としてお使いいただけます。
サステナブル(Sustainable)と言う言葉をよく耳にするようになりました。本来の意味は「維持できる」ですが、近年は世界規模で起こっている環境問題を解消に向かうための持続可能な生産などを指して使われています。竹は継続利用可能な唯一の天然資源という事から自分達は1985年から21世紀は竹の時代と言い続けてきました。
竹は、わずか3ヶ月で親竹と同じ大きさに成長する神秘の植物として注目されています。昨年参加させていただいた世界竹会議などにも50カ国もの国と地域から沢山の方が集い熱い議論が交わされているほどです。しかし、日本ではずっと昔から暮らしの中で無駄なく大切に使われてきたのです。
一閑張という技法も竹籠を長く大事に使いたいという発想から生まれました。編み込みが破れて穴の空いた竹籠に和紙を張りつけ、柿渋や漆で塗って補強したのがその始まりです。サステナブル(Sustainable)と言えば目新しく感じてしまいますが、日本人の生活は竹と共にありずっと持続可能だったことを忘れてはいけません。
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