磨き細工とは竹の表皮を薄く剥いだ竹ヒゴを使って編み上げる竹細工のことなのです。竹材は沢山必要とするし手間もかかるものの竹は表皮に近いほど維管束と呼ばれる繊維が密集していて強く耐久性があります、また磨きをかけることによって長く使うほど愛着のわいてくる色艶の深まりが早いのも特徴です。
スズ竹や柳で編まれた行李が山の様に積み上げられた写真を見ることがありますが全て白黒の時代のもの。職人が沢山いた当時ならこのような衣装籠もそれほど珍しくなかったかも知れませんけれど今では貴重品。しかも日頃は大、中、小の三個セットで編まれているので奇跡と呼びたくなります。
近年ないような量の竹を伐採したと職人が笑います。ところが数ヶ月かけて揃った籠も実はまだ半分、製作はこれからも続きます。籠達が飴色に色付く頃には時間を作って様子を見に行きたい...まあ、いつの事になるでしょうか。
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