竹虎創業125周年記念、スペイン・ボックスカートレースその3

岡山科学技術専門学校


さて、スペイン・ボックスカートレース(Carrera de Goitiberas de las Fiestas de la Blanca de Vitoria-Gasteiz)に出場を決めたものの一番の大きな課題は全く解決していませんでした。それは肝心のレースに出場する車です。日本でも坂道レースは開催されているようですので専門の方に相談もさせて頂きました。エンジンが付いていなくとも本格的な素材で製作した場合には200万円を超える費用がかかる事が分かり愕然とします。


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車体だけに200万円も使ってしまうと輸送費用や交通費、滞在費など参加するだけで費用はウナギ昇りです。これでは、あのサン・ビセンテ・マルティル教会(Iglesia de San Vicente)横から走りだした先に待つゴールは遠のくばかりでした。


市販されている車体を改造するか?どこかの鉄工所さんにお願いするか?あらゆる可能性を検討してるうちに、たまたま鳴った一本の電話に救われました。


岡山科学技術専門学校


あの日、休日出勤していて良かったと今でも思い返します、岡山科学技術専門学校の先生からの電話でした。実は、こちらの学校では「Red Bull Box Cart Race」という東京赤坂で開催されたレースに出場した車体製作の経験があったのです。まったくノウハウのない自分からすれば出場した車体を見学させてもらうだけでも願ったり叶ったりです。


さすが専門の先生方が参加して製作されただけあってボディなど素晴らしく綺麗に作られている車体でした。外装は簡単に取り外せるとの事で外して見せていただける事になります。


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車体フレーム部分を見せてもらうと14インチの自転車タイヤを使っていて自分のイメージにかなり近い感じです。前輪にも後輪にもスプリングが付いて、実際乗ってみますと非常にクッション性の高い車体でした。


スペイン・ボックスカートレース車体、竹虎四代目


岡山科学技術専門学校さんにお伺いした時は、ちょうど春休みで実習に使われてる車庫には生徒さんもおられません。しかし新学期になれば又授業もはじまり実習もあるのだろうと思っていましたので、もし出来る事なら目の前にある車体を参考にしながら竹虎用に一台製造いただけないかとお願いしてみました。


すると...またまた竹の神の御加護です!この車体はもう不要で処分してしまうのでこのままお譲りいただけると言うのです。


スペイン・ボックスカートレース車体、竹虎四代目


何というラッキー!有難い事かと感謝感激でした。ずっと懸案だった課題が一瞬にして解決するとはっ!?こんな嬉しい事もあるのだなあと思いながら竹虎に帰社し、翌日早朝からトラックに乗り換えて岡山に向かい頂いて帰ってきたのです。ところが喜んでいるのも束の間、やはり一筋縄ではいきません。次々と問題が見えてきました。


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