お陰様で自分達は、虎竹にこだわり竹一筋に仕事をさせていただいてます。これが、どれだけ奇跡的で素晴らしい事なのかは竹が全く売れない冬の時代を経験し、真っ暗いトンネルの中にポツリと一人取り残されたような思いで過ごした日々があってこそ実感できる事だと感謝しています。
なので、虎竹の里の竹達だけでなく他の竹の事もいつも気にかかります。先日は、たまたまテレビニュースに目が留まりました、足摺岬の椿がメダケに浸食されて数が減っているというのです。足摺岬と言えば高知県観光では必ず取り上げられる名所であり、季節になれば咲き乱れる椿と並んで紹介される事が多いだけに番組で観た時にはショックを受けました。
メダケは女竹と書きますが竹というより細い笹類の仲間で、自分が竹の仕事を始めた当時には壁竹用等としてトラックに満載された竹が流通していたものです。しかし時代の流れと共に需要は全くなくなり竹虎でも工場から姿を消して20年以上にはなります。
このような事は何も足摺岬のメダケに限らず全国的に起こっています。主に日本最大級の大きさである孟宗竹が他の樹木を侵食しつつ、手入れもできない竹林が荒れ放題になっている事は皆様ご存じの通りです。
放置竹林のバイオエネルギーや建材利用が始まっていて期待が持たれる所ですが課題も多いように感じています。驚異的な成長力と生命力で広がる竹は、日本の森林総面積からすると極わずかにも関わらず良くも悪くも良く目立つのです。増えすぎて悪者扱いされるのも非常に困惑しますけれど、近年の災害との関係は見過ごせません。
そこで竹材有効活用として最善の方法のひとつが竹炭です。たとえば野焼に近い状態で燃焼させ水を掛けて作るポーラス竹炭のお話しをした事がありました。手軽で比較的安価ですが農地利用や消臭、調湿には最高の竹炭です、本格的な高温窯で焼いた竹炭には又別の機能性がありますので竹炭も面白いですし、やはり竹は素晴らしい自然素材だとつくづく感心してしまいます。
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