竹ざるには沢山の種類がありますが最高峰を挙げるとするなら、この匠の横編竹ざるです。自分で竹林に入り、気に入った竹を選りだして伐採した淡竹と孟宗竹だけを使います。厳選された竹材に加えて丁寧に取られた竹ヒゴ、この道一筋の熟練職人の編み込み、65㎝という大きなサイズでこの出来映えは一目見て圧巻としか言いようがありません。
見惚れるような竹ヒゴの美しさですが観賞用ではありません。野菜干しや梅干しの土用干しなどに毎日お使いいただくための竹ざるです。この大きさですのでご愛用いただける方は自ずと限定されますけれど、主婦の方の中でも料理が得意で食にこだわりのある方の中にはプロ用とも言えるこの竹笊を易々と使いこなされています。
全体のバランスも素晴らしく、強さを印象づけるのが幅2㎝もある縁巻部分です。使い手の声に磨かれる竹細工には堅牢さに加えて美しさを兼ね備えた逸品が生まれますが、まさにそれがこれ。思いに熟練の技が応えた誇りに思えてくるような一枚です。
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