藤箕の箕太刀(ミタチ)と日置の箕の箕刀(ミガタナ)

箕太刀(みたち)


またまた箕の話が続きます。藤箕作りでは柿の木で作られた箕太刀(みたち)と呼ばれる道具を編み込みを引き締めるのに使います。左側が新しい道具で右側が使い込またれもの、刃先の部分が削られて薄くなっています。


太刀と名前が付いているだけあって武士が腰に差していた刀のように長尺です、少し長すぎて扱いづらいのでは?と思いましたが、まったくそんな心配はいりませんでした(笑)


藤箕素材


長さがあるのでトントンッと短時間で一気に編み込みを引き締められます、大量に生産されてきた歴史のある藤箕だけあって道具でも何でも効率的になっているのでした。


箕刀(みがたな)


箕太刀を見た時にすぐに思い出したのが日置の箕作りに使われていた箕刀(みがたな)という道具です。大小のサイズの違いがあるものの使用方法はもちろん同じですし良く似ています。山の素材を数種類使って製作される事にも共通点のある二つの箕、北陸と鹿児島の遠く離れた両地域でこのような道具が使われてきた事に関連性と面白さを感じます。


藤箕職人


箕作りの職人さんは、ご存じなのか?どうなのか?
トントンッ...トントンッ...
ただ黙々と藤を編み込み箕太刀を使っています。


藤箕職人の道具


脇を見ると藤蔓を採りに行く時などに使うナタでしょうか?刃物の鞘と言えば木製や革製、樹木では桜皮、竹で作られたものもありますけれど何と藤鞘に入れられていました。論田、熊無の藤箕製作技術として国の重要無形民俗文化財の指定を受けた伝統の藤箕作りは続きます。


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