続・イタヤカエデ細工の鉄線編み丸皿

イタヤ細工丸皿


イタヤカエデ細工の泥染めは古い歴史があるわけでなく、ここ数十年の間に開発された技術だそうです。自然素材を自然素材で染めると経年変色も独特です、10年以上も経過した丸皿は白いイタヤ材は飴色になり、黒色やグレーは色褪せて風合いが全く異っています。しかし、どう変化しようと自然素材は綺麗で面白いものです。


虎竹染め


そう言えば自然染めの退色を見て虎竹の葉で染めた虎竹染めを思い出していました。優しさや温もりなどを感じさせる天然素材による染色は、化学染料と比べると時間の経過や太陽光線での色褪せは考えておかねばなりません。もちろん竹の経年変色を楽しんでもらいたと自分が考えるように、イタヤ細工の染めも経年変色を十二分に楽しむ事ができます。


イタヤ材


ただ、イタヤ材に限って言えばこの泥染めはあまり適していないのだと言います。特有の色合いにイタヤ材を染める泥染めには地下水を使いますが、含まれる鉄分がイタヤ材には適してなくて10年、20年と長く愛用しているうちに、柔らかさがなくなり折れやすくなるのです。木材用の化学染料で染めると20年経っても良い風合いで材質がもろくなる事もないと職人さんは話されますので何でも天然ばかりが良いという事ではないのです。


イタヤ細工


これは竹材で編まれたものではありません、イタヤ材からヒゴを取り編みまれているものです。本当に木材を削ったものだろうか?と思うくらい柔らかく、しなやかで折り曲げても折れない材質です。実際に丸太から細工に使われるヘギ材まで手にしてみると、つくづく先人の知恵の深さに頭が下がる思いです。


イタヤ手提げ籠バッグ


その特性を活かしたイタヤ手提げ籠バッグイタヤ弁当箱などは人目に触れる機会の多い製品ですが、泥染めの製品を見た事がないのにはこのように理由がありました。


コメントする