今日は虎竹の里の皆に凄いものを見せたくてやって来た。大都会に行くと街をさっそうと歩く数えきれない程のビジネスマンがいて、その手にはブリーフケースやビジネスバックを持っている。しかし誰か一人でも、こんなバッグを提げている人がいるだろうか?
いや別にビジネスシーンだけではない、旅行でもいい、高級ブランドでも何でもいい、兎に角、他を圧倒して目を釘付けにしてしまうこれだけの存在感を放っている鞄があれば教えて欲しい。
男の鞄にはロマンが詰まっている。日本では1950年当時に度々来日したアメリカのダレス国務長官が持っていた鞄という事でダレスバッグという名前の定着している手提げ鞄などその典型だ。学生の頃から憧れてずっと欲しかったダレスやアタッシュケースがある。雑誌で一目惚れした鞄も、半年待ちして手に入れたオーバーナイトも確かに素敵だが、残念ながら足元にも及ばない。
この竹アタッシュケースは日本人が囲炉裏の生活だった当時の煤竹を追及し、限りなく自然な形の中で燻されたスズ竹で編まれている。だから単に竹を染めたり、塗ったりしたのとは全く違う深い風合いがある。何と竹素材作りだけで2年を費やしているこだわりだ。
しかし、男の鞄はカチリと開けた瞬間が勝負。追随を許さない外見であっても内側が手抜きだったら意味がない。だから大きく開いて「どうだ」と言わんばかりに竹達に見てもらう。革職人と念密に打ち合わせした設え、色、素材感。ストッパーの革ベルトもいい、竹虎のロゴマークもいい。
さて、皆に自慢した後は次の出張にでも持って行くか。
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