別注の塗り脱衣籠

別注塗り脱衣籠


大きな角物の竹籠は思うよりもずっとやっかいなものです。材料は真竹ではなく、普段あまり竹細工には使われる事は少ないものの身の厚みや丈夫さでは一番の孟宗竹を使います。ちょうどの竹材が無くて、まずその竹材の伐採からせねばなりませんでした。


同じサイズを沢山製作するのとは違い別注サイズでは予期せぬ手間がかかってしまう事もあり、どうしても仕事が後回しになります。結局出来あがったのはお客様の注文から数ヶ月もかかって編み上がって来ました。しかし、さすがに時間をかけただけあって、素地はこのまま使っても良いくらいの完成度の高さです。


別注塗り脱衣籠


定番で製作している約W49×H10×D34センチの脱衣籠だけでも手いっぱです。実はこの塗り脱衣籠には少し小ぶりなサイズもありましたが、なかなか製造が間に合ないので(大)は(小)を兼ねるという事で現在は大きいサイズだけに集中しています。ですからこの籠に関しては別誂えのご注文などお引き受けできるはずもなく、ずっとお断りさせてもらっていますが今回はどうしてもという事で一組だけ大きなサイズの物を作らせてもらったのです。


元々竹細工はそれぞれオーダーメイドのようにして編まれた事もありました、その当時の職人もきっと使う方々の笑顔を見て同じような気持ちだったに違いありません。美しい出来映えです、末永くご愛用いただけると嬉しいです。


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