竹編みの素地に和紙を貼りつけて柿渋や漆を塗布して耐久性を高める一閑張り(いっかんばり)があります。あまり知られていなかった技法だと言われる方もいますが昔から日本に広くある当たり前の技術であり、自分にとっては破れた障子に紙を貼って隙間風が入るのを防ぐくらい普通に職人さんがされていた仕事の一つです。
和紙を貼って仕上げる前の竹編み素地は、このように四ツ目編みされたものであまり一般の方が目にする機会はありません。思えば土壁も柱と柱の間にこのような竹編みをして土を塗りつけていきますので、このように目立たない骨材としても竹は長く使われてきたことになります。
この竹編み素地の職人の所で面白いものを見つけました。どこかのデザイナーさんとの仕事で試作したものだと言わていました。
四角い行李などしか製作されていたなかったものを、このような形にして蓋付きになると確かに目をひきます。
現実的なことを考えると難しいことばかりすぐに頭をよぎりますが、この視点と職人のチャレンジ精神は絶対に必要なものです。
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