先日アメリカはオレゴン州から虎竹の里にDain Sansomeさんがご家族と共に来られていました。遠い異国の方ですが竹林経営をされているだけに、この虎竹の里の竹林の価値十分に感じていただいてる様子で嬉しかったのです。そんなDainさんから、ひとつ質問を頂きました。
「竹の割れを防ぐ方法はありませんか?」
竹は三悪といわれるものがあり、それが「割れ」「カビ」「虫」です。竹の割れを防ぐ方法はありません、竹は外側と内側の伸縮率の違いで割れますので理屈的には身の部分が厚いよりも薄い方が割れにくいのです。そこで、乾燥させて表皮から削りだして強度を保てる程度まで薄くして割れ防止を考えた製品でも使用環境等により割れてしまいます。竹の種類、個性、製法により違いはあるものの割れを完全に防ぐ方法はないのです。
熱と圧力で炭化加工された竹材には虫が好むような養分は既にないように思いますがそれでもチビタケナガシンクイムシがいる事があります。防虫、防カビ効果は明らかに感じる炭化加工でも完全ではないのです。
しかし、割れるから「竹」であり、虫害も同じです。こうした竹の性質と向き合い先人達は昔から竹を愛でてきました。三悪を十二分に知った上でも、それを遥かに上回る美しさや素晴らしさ、利便性があるからこそ日本の里山に竹はあります。それを、お使いいただくお客様にお伝えするのは自分達の役目です。
川口恒地 返信
竹を樋として使うのは無理ですか?
使うなら割れた場合、割れをどうにか埋めて使い続け、最後は交換する。というのが昔ながらのやり方でしょうか?
竹虎四代目から川口恒地への返信 返信
お問い合わせありがとうございます。実際に樋として使用されている所を拝見したことがあります。半割にしていますので、丸竹の場合に比べると割れにくいので十分使用できるかと思います。ただ、やはり自然素材のため、屋外での使用には限界があり、定期的な交換は必要です。