山を知る職人だけが編むシダ籠

シダ編み籠


かって近くの町には二軒ものシダ専門店があり大量にシダの出荷をしていたと言う話を、この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」でお話しさせてもらった事があります。小さい頃にシダ取りのアルバイトをした年配の方の話では焼坂の山まで何度も通った事があるそうですので自然豊かな虎竹の里は日本唯一の虎竹のみならず、シダの里でもあったようです。


そうやって集められた籠編み用のシダは束にくくられ職人さんの所に運ばれていったそうですが、シダは採取してからすぐに編み込まないと硬くなって使えないので流通の整っていない当時のこと、近隣での製造が主であったと思います。


シダ編み籠


これほど耐水性に優れた身近な自然素材はありません、食器籠や水切り籠としてシダ編み籠は大いに重宝されてきました。しかし、竹のように材料として保管の容易なものと違い、その都度、山に入り素材を集めて編まねばならないので大変です。素材によって作ることのできる籠のサイズも決まってしまいます、細いシダしか材料がない場合、このような小さな籠が作られます。石鹸など入れる籠にピッタリではないかと思いますが全ては材料次第、昔のようにシダ屋さんがあって様々な太さの素材が揃っているわけではありませんので山を知っていないと編めない籠なのです。


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