太い虎竹の林

日本唯一の虎竹


それにしても虎竹は気難しい。同じ山なのに少し土地が違ったり、日当たりが悪かったり、手入れを怠ったりすると途端に色付きが違うのです。この竹林の竹は太さは申し分ないのですが、昔から虎模様が少ないのが玉にきず。


竹編みチリ箱


虎竹は名前の由来でもある虎模様が全て、同じ竹細工を編んでも虎竹と白竹ではこのような風合いの違いがあります。どちらが優れているとか高価とかではなく好みの問題です。


虎竹籠


虎竹模様があることによって竹に表情がつけられて何倍も良く見える事もあります。


虎竹籠


たとえ竹を染めたとしても模様のない真竹と、模様の入る虎竹では圧倒的な差が際立ちます。


網代編み虎竹


細かい竹ヒゴに取って網代編みされた時にも網代編みの模様をさらに美しく、たまらなく面白くしてくれるのが虎竹です。土佐藩に献上されていた歴史もある虎竹、お殿様が門外不出としてきた虎竹の伐採も今月で終了です。


NO BAMBOO NO LIFE、「チャレンジラン横浜」から「チャレンジラン・メキシコ」

日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」はクラウドファンディングで全国から沢山の方の応援をいただいて完成させました。そして更に、すがる思いで再びクラウドファンディングに挑戦させていただきます。「チャレンジラン横浜」に続き「チャレンジラン、メキシコ」の始まりでした。 1ヵ月という短い期間でしたが、全国の皆様の応援のお陰でギリギリで無事達成することが出来てハラパまでの輸送が可能になったのです。


日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」


それからは、沢山の応援を頂き、せっかく竹トラッカーをメキシコまで運んで行くのだから、どうしても現地の皆様と一緒にメキシコの町を走りたいとメッセージを送り続けていました。実は、世界竹会議が始まってからも竹トラッカーは会場に展示されているものの公道を走れる見通しは立っていない様子だったのです。


しかし、今回こうして無事展示できているのはクラウドファンディングを応援いただいた皆様のお陰です、メキシコの空の下を疾走する姿を夢見て援助を下さった皆様のためにも、このまま帰国はできないと思っていました。


世界竹会議メキシコ


そこで初日から大会関係者の皆様への嘆願活動を開始します。自分の基調講演の出番は最終日の一番最後でした、講演はもちろん大事ですが目的の半分でしかありません。竹トラッカーでメキシコを走りたい、その思いを毎日伝えますが、そこではハラパの会場で自分を助けてくれる通訳の方や現地スタッフが大いに動いてくれました。


世界竹会議メキシコラン、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」


かくして、沢山の協力者のお陰で竹トラッカーは初めて海外の道路を走りだす事になります。大会関係者の自動車4台に前後を守られながら、世界竹会議の会場であるGAMMA FIESTA AMERICANA XALAPA NUBARAから公道に滑るように走り出した時には感無量でした。


地元ハラパ市民の方にも「Tiger Bamboo car」と親しまれ、道路脇に停車させると写真撮影を求める人だかりが出来て大いにメキシコの方々を熱狂させたのです。この時の様子は動画にまとめてフェイスブックで公開していますが、わすがこの5ヶ月で再生回数45万回を突破する大人気コンテンツとなっています。


NO BAMBOO NO LIFE(竹のない人生など無い)


まさに「NO BAMBOO NO LIFE」です。




第33回高知県地場産業大賞「奨励賞」受賞しました!

第33回高知県地場産業大賞「奨励賞」受賞


33年もの歴史のある高知県地場産業大賞が今年も決定しました。高知県下から様々な会社、地域、教育機関などの製品や取り組みが表彰されているのですが、光栄にも竹虎(株)山岸竹材店が数ある候補の中から「高知県地場産業奨励賞」を受賞させて頂ける事になりました。


竹虎の近年の日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」の製造、1000キロ走破の「チャレンジラン・横浜」や世界各地で開催されている竹の祭典「世界竹会議 (World Bamboo Congress)」でのKeynote Speaker(基調講演)として登壇、
そして「チャレンジラン・メキシコ」での初の海外疾走。世界で45名、日本では2人目となる世界竹大使(World Bamboo Ambassador)の任命などを評価いただけたのだと思っています。




本日から受賞感謝万歳セールとして竹虎ウェブサイトにて税別で8310(バンザイ)円以上お買い求めいただいた先着200名様に、虎竹御守り福音鈴を差し上げる企画がスタートしています。そもそも竹は「松竹梅」と言われ古来縁起が良いものであるのですが、それに加えてわずか3ヵ月で20数メートルの大きさになる驚異的な成長力と一年を通して青々とした生命力みなぎる植物です。さらに虎は千里を駆けるという覇気に満ち溢れた動物ですので、その二つが合わさった「虎竹」は最強だと常々思っています。


そして、この虎竹で作った福音鈴のお陰で奇跡的に実現した世界竹会議でのメキシコまでの長距離の輸送、ハラパの街での快走も何の事故もなく無事に走って帰って来られたのだと信じています。


竹虎四代目(山岸義浩)、第33回高知県地場産業大賞「奨励賞」受賞


田舎者の自分には、もったいないような受賞で実感もわきません。表彰式は来月2月13日に高知市内のホテルだそうです、ちょうど先日贈ってもらったロゴマーク入りのお酒で一足早い祝杯をあげねばなりません。


再生回数45万回突破!日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」メキシコの街を大疾走!

日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」メキシコラン


昨年の8月に基調講演を行わせていただいた第11回世界竹会議メキシコ(World Bamboo Congress )での竹トラッカー疾走の様子がFace bookで何と再生回数45万回を突破しました!虎竹の里の住民が全員で700人ですから自分達のような田舎では想像できないような数字です。


世界竹会議とはご存じない方も多いかと思います。それもそのはずで日本では竹に携わる方でもご存じない方がおられます。そこで、当社の社員なども含めて馴染のない方々に説明するにはどうすれば良いか?思案した末に「世界各地で3年に1度開催される竹のオリンピックのような竹の祭典」と話す事にしています。


世界竹会議(WBC)には竹生産国はもちろん、アメリカ、ヨーロッパなど世界中の竹産業界、竹研究者が集結し、竹の活用や開発において世界中で何が起きているかを確認し合い、最新の情報交換を行っています。


第11回世界竹会議メキシコの基調講演の打診を頂いたのは2017年7月だったと思います、すぐに快諾させてもらいました。しかし、せっかくメキシコまで行くのであれば日本唯一の虎竹自動車「竹トラッカー」も連れていきたいとすぐに思いました。ただ、下調べの段階で安易に考えていた輸送が電気自動車という事で結構難しい事を知ります。リチウム電池が問題で輸出いただける運輸会社がなかったのです、慌ててあちこちの会社を当たるうちに、どうにか一社だけ運んでもらえそうな所がありました。


ところが虎竹の里から神戸港までトレーラーで陸送し、船でメキシコはマンザニーロの港へ、上陸したあとは世界竹会議(WBC)会場のあるハラパの町まで1000キロのトラック移動です。全部の費用を見積もりして頂くと驚くことに302万円もかかってしまいます!この見積書が届いた時には、自分達に到底無理だと諦めの気持ちもありました。


けれどどうしても諦める事ができません。世界竹会議は世界中から竹専門家が集まります、まさに虎竹を世界デビューさせるには千載一遇のチャンスだったのです。




竹虎四代目講演「倒れても這い上がれ!地域資源の再発見が未来を拓く!」

竹虎四代目講演「倒れても這い上がれ!地域資源の再発見が未来を拓く!」


冬の北陸は寒さが厳しいです。今日は黒部商工会議所青年部さんのお招きで富山県黒部市にお伺いさせて頂きました。


思えば富山にはご縁があって20代、30代の頃には毎年のように夏の大きな催事に来させてもらっていました。10トントラックと4トントラックに虎竹袖垣や縁台といった大型製品まで、これ以上積めないというくらいまで満載して乗り込んでいましたのでとても室内の会場だけでは入りきりません。会場外には大型の特設テントを2つも張ってもらい高知よりも暑いのではないか?と思うような炎天下の中で売り出しをしていました。


なぜ高知から遥々と遠い富山のイベントに参加するようになったのかは祖父の時代の事ですので分かりません。しかし、とにかく大人気で朝から大変なお客様、昼ごはんなど食べずに夕方を迎えるのが当たり前のような状態だったのを懐かしく思い出します。


黒部市は催事をしていた富山市内からは40キロ程度離れていますが、さすが新幹線は凄いです、移動などアッという間です。四国新幹線構想というのを今週の高知新聞で読んだばかりですが、新幹線があれば四国は大きく変わるなと感じさせてくれます。


日本唯一の虎竹


さて、夕方からの講演は黒部市民会館にて「倒れても這い上がれ!地域資源の再発見が未来を拓く!」というような大袈裟なタイトルをつけていただいてます。地域資源といえば自分達には日本唯一の虎竹しかありません、昨年の世界竹会議メキシコでも50カ国からお集まりいただいた皆様にさせて頂いた、いつものお話しをいつものようにお話しするだけです。


フェイスブックで動画再生回数が45万回を越えた、日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」メキシコの街を大疾走!は是非ご覧いただくつもりです。




晒した孟宗竹、真竹を見て

晒した孟宗竹、真竹


太さの違う竹が並んでいる、右の太い方が孟宗竹、左側が真竹である。節の輪が一本、二本とハッキリ分かるので初めての方にも分かりやすい。しかし、同じように晒して白くされた竹のここまでの道のりは知らない人には分からない。何気に見ている竹だが表面にはキズがない、これは伐り倒す際にも細心の注意を払い、険しい山道を一本づつ肩に担いで山出しされた証である。


晒した孟宗竹、真竹


孟宗竹は直径が18センチはあるだろうか?これだけの太さ、伐採した時の竹は想像以上に重いので大変な重労働だ。トラックに積み込むにも毛布に包んでロープで縛り大切に工場まで運んできた、そして熱湯で丁寧に油抜きし、何日も天日に干して仕上げられた竹が、ここに並んでいる。


孟宗竹


日本の竹は、山の仕事がおざなりにされてきた。しかし、自分達が昔から敬意を払って「山の職人」と呼ぶ竹のプロにやりがいがないと竹林は荒れ、竹の仕事はますます衰退してしまう。


太さの違う竹が並んでいる、右の太い方が孟宗竹、左側が真竹である。時間の経過と共に段々と深みが増してくるのは真竹の方。もっと言うならば、この竹は湯抜きされた竹だがガスバーナーの火で油抜きされた竹は手間も熟練度も必要なだけ更に美しい光沢を放つようになる。


篠竹野菜籠の経年変色

篠竹野菜籠


昨日は大きな篠竹籠についてお話しさせてもらいましたが、ご家庭でお使いいただける適当なサイズの籠はこの篠竹野菜籠ではないかと思います。ところで、左右の竹籠は違う種類の竹ではありません。同じ篠竹ですが長くご愛用いただくうちに青々とした色目が、このような渋い色合いに変わってくるのです。


篠竹野菜籠


虎竹の里では土のついたままの大根や、収穫したばかりのカボチャなど野菜も沢山いただく事があって、そのような野菜の保管に通気性の良い竹籠は最適なのです。しかし、そんな事がなくとも野菜には冷蔵庫に入れるよりも常温での保管がよいものがありますので竹籠は一つあれば重宝します。


篠竹野菜籠


竹細工の楽しみ方はそれぞれですが、時間が経つごとに変色していく竹の表情は大きな魅力のひとつです。数十年たった竹籠が、ハッと目が覚めるような美しさで驚くことがあります、大切に使ってこられた方の持ち味が加味されている幸せな竹たちです。


日本最大級、篠竹楕円籠

篠竹楕円籠


篠竹で編まれた楕円籠は農家さんで使われてきたものですが今では需要も少なくなり、あまり沢山製作されている籠ではありません。篠竹で思いだすのは篠崎ざるという江戸川沿いの護岸用の篠竹で編まれた竹細工です。職人さんはご自身の竹笊の上に飛び乗ってその強さを語られていたのを懐かしく思い出します。


篠竹籠


篠竹もその土地により多少色目や特性が少し違います、さらに扱う職人の仕事も違うので同じ竹でも編まれた製品の特性により用途も考えねばなりません。この楕円籠は大きめの脱衣籠などに形は適しているようですが、もう少し工夫が必要だと感じています。


篠竹籠、ぼた籠


この籠でも大きいと感じていましたが、実は同じ篠竹で編まれている更に大きな籠があります。横幅60センチ、奥行き48センチ、高さ35センチ、篠竹で編まれている籠としては日本最大級の竹籠でしょう。


先日お客様のご注文で真竹を使い直径70センチの深竹ざるを作りました、これは日本一と胸を張れるほどの強度を持っていますので業務用として使うプロの方にも満足いただけて何度もリピートいただいてますが、この篠竹特大編み籠の方は大きい割に篠竹のヒゴの厚みが取れないため堅牢性では劣っています。


篠竹籠、ぼた籠


しかし、柔らかいから耐久性が無いのかと言うとそうでもありません。あまり重たすぎるものを入れると使えませんが、例えば公園の掃除で落ち葉を沢山集める場合など、どうでしょうか?かさばる落ち葉も、この大きな竹籠ならかなりの量が入れられます。そして、もち運びが大事ですが引きづる事を考えての力竹を入れた底の設えをしています。段差のある所を運んでも衝撃を竹のしなりがうまく籠全体に拡散してくれるのです。


四種類のスズ竹弁当箱

スズ竹網代弁当箱


網代編みの弁当箱は竹の弁当箱と言えば、まっさきに思い出す定番中の定番の弁当箱ではないかと思います。しかし、網代編みされた竹なら何でも一緒かと言えば実はそうではなく一番適している素材は柔軟性と富んでいながら強靭さを併せ持つスズ竹が最高です。


スズ竹網代弁当箱


スズ竹は竹と名前の付くもののボールペンほどの太さしかなく、筍の皮が付いたままなので笹の仲間なのです。しなりや粘りは特筆すべきものがあって買い出しで重たい荷物を入れてガンガン使われる市場籠として愛用されているので耐久性は折り紙つき。そんなスズ竹弁当箱で大きなサイズが編み上がりました。これくらいのサイズなら大食漢の男性の方でも大満足いただける容量ではないかと思います。


四種類揃った弁当箱を見比べてみると、その大きさの違いがお分かりいただけます。竹を使った網代弁当の良さは通気性です、冷めても美味しくいただけるランチボックスとしてご愛用いただきますが、それぞれの使い道にあったサイズをお選びください。


虎竹の里のキンメイチク(金明竹)開花

キンメイチク(金明竹)開花


牧野植物園のキンメイチク(金明竹)の開花をお話しさせていただいたのは昨年12月も終わり頃の事でした。実は、あれから暫くして虎竹の里のキンメイチクにも花が咲いたのです。


今年に入ってから黄金竹の事もこの30年ブログではお話しました。全体がゴールドに輝いており、おめでたい新春にふさわしい竹だと思ったからでした。この黄金竹とキンメイチクは色が黄金色という点では似ていますが、キンメイチクには黄金色の稈に緑色の筋が入り、またその青さとのコントラストが美しく鉢植えとしても好まれるのです。虎竹の里にあるキンメイチクも、元々はそうした鉢植えを買ってきたのを植えたものでした。


焼坂峠


キンメイチクの開花は120年に一度と言われる非常に珍しい現象です。それなのに、どうして牧野植物園のキンメイチクと時を同じくして開花するのか?同じ株から分けたものか、何か手ががりはないものかと訊ねられます。しかし、自分の記憶のあるだけでも30数年前から既にある程度の茂みに育っていました、植えたのはそれより更に前の事で詳しい事は残念ながら不明です。


今日は、虎竹の古里であり昔からの遍路道の続く焼坂の峠に来ました。ここまで登ってくる間には虎竹は沢山あるものの、この峠からは虎竹は一本も見当たりません。


虎竹


虎竹の虎模様は、同じ山なのに少し場所が異なると色付きも太さも全く違います。土中の特殊な細菌、土質、日当たり、潮風、気温、職人の手入れなど様々な要因が複雑に作用していると考えていますが神秘的なものです。竹は不思議に満ちているからこそ面白いものなのです。


竹皮職人の神技、いつかもう一度

竹職人


その日も朝早くから灯りがついて竹編みをされています。同じ仕事をずっとやり続けてきた竹職人さんの手は神技のようだと思う事があります。とにかくスピードが凄い、血の通った竹は迫力があるから大好きなのです。


竹皮職人


昨年の漢字は「災」でした。今年はそのような事のない平穏な一年になれば良いと思いますが、西日本豪雨は自然相手の自分達の仕事にも大きな影響がありました。大雨による増水で、おにぎり弁当などに使っていただく食品包材用の竹皮を集める真竹の竹林が被害を受けていたのです。


幸い竹皮草履の素材は山の中腹など高い場所が中心なので材料不足は免れたものの、おにぎり弁当用竹皮は、昨年の災害からずっと売切れが続いていて今年の竹皮に期待する他ありません。竹皮を一瞬で何通りもの等級別に選別していく職人さんの技もまさに神技でした。また、拝見できる日を待っています。


「竹の割れを防ぐ方法はありませんか?」

Dain Sansome、竹虎四代目


先日アメリカはオレゴン州から虎竹の里にDain Sansomeさんがご家族と共に来られていました。遠い異国の方ですが竹林経営をされているだけに、この虎竹の里の竹林の価値十分に感じていただいてる様子で嬉しかったのです。そんなDainさんから、ひとつ質問を頂きました。


「竹の割れを防ぐ方法はありませんか?」


竹は三悪といわれるものがあり、それが「割れ」「カビ」「虫」です。竹の割れを防ぐ方法はありません、竹は外側と内側の伸縮率の違いで割れますので理屈的には身の部分が厚いよりも薄い方が割れにくいのです。そこで、乾燥させて表皮から削りだして強度を保てる程度まで薄くして割れ防止を考えた製品でも使用環境等により割れてしまいます。竹の種類、個性、製法により違いはあるものの割れを完全に防ぐ方法はないのです。


炭化竹


熱と圧力で炭化加工された竹材には虫が好むような養分は既にないように思いますがそれでもチビタケナガシンクイムシがいる事があります。防虫、防カビ効果は明らかに感じる炭化加工でも完全ではないのです。


しかし、割れるから「竹」であり、虫害も同じです。こうした竹の性質と向き合い先人達は昔から竹を愛でてきました。三悪を十二分に知った上でも、それを遥かに上回る美しさや素晴らしさ、利便性があるからこそ日本の里山に竹はあります。それを、お使いいただくお客様にお伝えするのは自分達の役目です。


インスタグラム懸賞企画、フォロー&いいねで1名様に【限定】シダ編みかごが当たります

シダ編み籠


先日の30年ブログでもお話しさせてもらった通り、シダは山歩きなどされる方なら身近な植物であり耐水性を持った素材は昔から台所用の籠に編まれて愛用されてきたのです。「インスタ映え」などという言葉を聞くようになって久しいですが竹虎でも遅ればせながら少しづつインスタグラムなどをするようになり喜んでいただける企画も立ち上げようと昨年から取り組みつつあります。


この新年からも【新春プレゼント!フォロー&いいねで1名様に【限定】シダ編みかごが当たります】として一点しかなかったシダ編み籠を賞品としてご用意させてもらいました。このプレゼント企画は竹虎インスタグラムをフォローした後、投稿記事にいいねをして頂いた方が抽選の対象となります、既にフォロー済みの方も大歓迎の企画でした。


竹虎Tシャツ


今週は少し趣向を変えて、竹虎Tシャツが当たるプレゼントを開催させてもらっています。「竹虎」の筆文字が大きくプリントされている白地Tシャツは、このような動画で社員が着用して使うために作られました。いよいよ締切は明日まで下記の条件をクリアされる方に、抽選で5名様にお届けさせていただきますので何卒よろしくお願いいたします。


応募条件.
・竹虎インスタグラムをフォロー&この投稿記事にいいねをして下さる方(既にフォロー済みの方も大歓迎です!
・プレゼントの発送は国内住所に限ります.
・当選された場合、DMにてお名前とご住所を教えて下さる方


当選された方には直接ご連絡させていただき賞品を配送させてもらっています。お気に召してくださった方は是非Tシャツを着てカッコ良くポーズなど決めてインスタで拝見させてください。




木版画家 倉富敏之先生と、お弁当用の風呂敷

木版画家 倉富敏之先生


木版画家 倉富敏之先生の作品を竹作家の工房ではじめて拝見した時の衝撃は今でもハッキリと覚えています。何という存在感!竹への愛情や思いが額縁が溢れんばかりに伝わってきて感動しました。そこで機会をみてお伺いした倉冨先生の工房は、まさに圧巻!言葉を失うような素晴らしい版画に数々に圧倒されてヘナヘナと座りこんでしまうほどでした。


ご自身が竹職人であられ、竹を長く研究されてきた方だからこそ到達された竹の世界を、手彫りの白黒の温もりと素朴さで言いつくされています。倉冨先生の版画は竹を志す方のみならず一人でも多くの方にご覧いただきたいのですが、何か他の活用方法はないとずっと思っていました。そこで、ふと以前お客様からいただいたお弁当箱への感想を思い出したのです。


スズ竹弁当箱


スズ竹弁当箱は使い勝手の良さから人気の竹弁当のひとつとしてサイズも色々あって4種類ほど揃っています。この弁当箱をお使いいただく場合には持ち運びに大判のハンカチや風呂敷で包んでおられるのです、その風呂敷に倉冨先生の販売のデザインを活用したいと思いました。


白竹ランチボックス


スズ竹弁当箱は蓋が深く閉まっていますので開くことはあまり無いものの虎竹や白竹ランチボックスの方は風呂敷などで包んでいないと持ち運べませんから必ず必要なアイテムでもあります。倉冨先生からデザイン使用のご快諾をいただいて進めていますが、一体どんな風呂敷が出来あがるのか?自分も今から楽しみにしています。


新作の籐編み手提げ籠バック

籐編み手提げ籠バック


昨年から用意していた籐編み手提げ籠バックが、いよいよと形になってきました。籐は柔軟性、堅牢性にすぐれており竹細工の口巻などに多用され重宝されている素材です、籐編みを本体にして細部に虎竹をあしらい、内側の巾着部分には虎竹模様を表現して特別に製造してもらった織物「竹虎」を使います。


籐編み手提げ籠バック


籐の凄いところは、細くヒゴにすると柔らかくしなやかな特性を持つものの、丸籐そのままで使うと強度のある素材という相反する二つの性質を併せ持つところです。少し竹にも似ていますが、中が空洞になっている竹よりも堅牢性、加工性で優れていますので籐家具などが世界中で愛されているのだと思います。


籐編み手提げ籠バック


籐ヒゴで編まれた優しいカーブが印象的な本体に取り付ける持ち手は細い丸籐を使っています。小さい手提げがバックではありますれれど、細くても、しっかりした強さがある丸籐の特性をも活かしきっています。


Dain Sansomeさんが虎竹の里にやって来た

Dain Sansome、YOSHIHIRO YAMAGISHI(竹虎四代目)


Bamboo ValleyのDain Sansomeさんのご家族が虎竹の里に来られていました。アメリカの西海岸で大きな邸宅の庭には竹を植えることがステイタスのようになっているとも聞いた事がありますが、Dain Sansomeさんの会社は竹を使った造園をされているのです。


欧米では竹の鉢植えが人気で色々なところで見かける事ができます。自分なりに感じるのは、アメリカには竹がありませんでしたのでエキゾチックな雰囲気を演出できる事や、ヨーロッパの建物は石が多く灰色の街並の中で一年通して緑の美しい竹が好まれているのではないかと思います。


Dain Sansome、YOSHIHIRO YAMAGISHI(竹虎四代目)


オレゴン州から来たと言われても、すぐには分かりませんでしたがアメリカの西海岸です。随分前にシアトルから竹専門の造園会社様が来社された事がありました、ワシントン州と言うから東海岸とばかり思っていたら西海岸だったという恥ずかしい話を思い出します。


そこで確認しますとオレゴン州はワシントン州のすぐ下の州です、その辺りは温暖な地域のようです。地図を見たら辺りは国立森林公園が沢山あります、自然豊かな竹の成育にもきっと適している所なのかも知れません。


Dain Sansome、YOSHIHIRO YAMAGISHI(竹虎四代目)


アメリカの方ですが竹の事を知っておられるので、日本人の方でも竹林に入った事もない人より理解も深く親近感がわきます。


Dain Sansome、YOSHIHIRO YAMAGISHI(竹虎四代目)、竹トラッカー


Dainさんには日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」に乗っていただきました。


Dain Sansome、YOSHIHIRO YAMAGISHI(竹虎四代目)


Dainさんたちの日程は、自分の出張のように時間ギリギリの旅ではないようです。予定をあまり決めず、土地やその日のスケジュールに合わせて柔軟に変化しながら行く、竹のように、しなやかな旅行です。


山を知る職人だけが編むシダ籠

シダ編み籠


かって近くの町には二軒ものシダ専門店があり大量にシダの出荷をしていたと言う話を、この30年ブログ「竹虎四代目がゆく!」でお話しさせてもらった事があります。小さい頃にシダ取りのアルバイトをした年配の方の話では焼坂の山まで何度も通った事があるそうですので自然豊かな虎竹の里は日本唯一の虎竹のみならず、シダの里でもあったようです。


そうやって集められた籠編み用のシダは束にくくられ職人さんの所に運ばれていったそうですが、シダは採取してからすぐに編み込まないと硬くなって使えないので流通の整っていない当時のこと、近隣での製造が主であったと思います。


シダ編み籠


これほど耐水性に優れた身近な自然素材はありません、食器籠や水切り籠としてシダ編み籠は大いに重宝されてきました。しかし、竹のように材料として保管の容易なものと違い、その都度、山に入り素材を集めて編まねばならないので大変です。素材によって作ることのできる籠のサイズも決まってしまいます、細いシダしか材料がない場合、このような小さな籠が作られます。石鹸など入れる籠にピッタリではないかと思いますが全ては材料次第、昔のようにシダ屋さんがあって様々な太さの素材が揃っているわけではありませんので山を知っていないと編めない籠なのです。


古民家に使われていた年期の入った図面竹

竹虎四代目、虎竹の里


ちょうど今時分は虎竹の里が一番賑やかな季節でもあります。未舗装の林道のようでもある、普段は通行の少ない山道を行けばこのようにして伐採された竹を見ることができて嬉しくなります。


日本唯一虎竹の竹林


先日は更に嬉しい竹林見学者の方がありました。都会からIターンやUターンを考えられている若者たちです。田舎暮らしというのものが口で言うほど簡単なことではないとは思うものの、こうして一人でも二人でも竹に関心を向けてくれるだけで喜ばしい事なのです。


床の間の図面竹


高知は少子高齢化の最先端を行く地域、それだけに地元須崎はもちろんですが高知県下でも増えた空き家対策と都会からの若者の受け入れを積極的に進められているようです。古民家を借りるとかも最近よく耳にもするので一体どのようなものか?関心が沸いて一軒見せていただくことししまた。


そしたら、本当にビックリ!外見は確かに古い住宅ではありますが中に入るとリフォームされてまるで新築のようです。しかも、広々としていて須崎でも非常に交通の便利のよい場所にあったりしますので、なるほど空き家が県外からの方に人気なのは価格的なことだけではないように感じました。


昔の家ですので床の間があります。そして、かなり年期の入った図面竹が使われています。


図面竹


どれだけ年期が入っているのか?比較的新しい図面竹と見比べてみたら一目瞭然です。昔の家には床の間だけでなく、こうして注意して見ないと気づかないような設えに銘竹が使われています。お借りになられる若い皆さん、是非そのあたりもご覧になってください。


帰ってきたタフな竹籠、御用籠

竹虎四代目(山岸義浩)、御用籠、野菜籠


久しぶりに帰ってきた御用籠は職人が違っていても昔から変わることのない迫力と堅牢さで思わず笑みがこぼれます。骨太の竹枠、四隅の角部分には、まだ編み上がったばかりで青々とした真竹に曲げ加工する時の熱を加えた跡がついています。


御用籠、竹籠、野菜籠


大中小と三個がピシッと揃って入り子になっている姿など壮観ですらあります。すでに知らない世代の方の方が多いかも知れませんが、自転車やバイクが日常の運搬の主役だった時代、大人たちは必ずと言っていいほど、この竹籠を荷台にくくり付けていたものです。最後に自転車に竹籠を取り付けて走っているのが印象的に残っているのは香港生鮮市場の竹籠でしょうか。


御用籠製造


かって竹籠は物流の担い手でもありましたので、このような角籠は大量に製造されていました。そうは言っても自分もその当時をこの眼で見ていた世代ではありせん、年配の方々から伝え聞いた話です。しかし、段々と需要がなくなり量より質を求められるようになって少し職人の作り方にも変化があったのではないかと思っています。


竹虎四代目(山岸義浩)、御用籠、野菜籠


この御用籠に限らず竹の角物細工は竹フレームを直角に曲げるという加工があります。今は炭火を熱源に使っていますが、大量生の時代にはそれではとうてい間に合いません。効率よく仕事をするために炉に大きな火を焚いてフレーム用の竹を休み間もなく次々に曲げていき、工房には枠用竹が天井近くまで山積みになっていたと言います。


御用籠、竹籠、野菜籠


そんな面白い時代を見てみたかったものですけれど、それでもその技が現在に受け継がれこうして圧巻の力竹の交錯する角籠が作られている事に感激します。


この籠は重たい荷物を入れて持ち運ぶために作られています。香港の市場で使われてる竹籠もそうであるように、ある時には引きづられ、放られたり、重ねられたり、仕事の現場で役立っています。竹の硬さ、強さ、しなやかさ、柔軟さ、通気性、耐水性等が過酷な環境の中で十分に発揮され長く愛用されているのです。


続・新春虎竹の里ウォーキング2019

マタタビ弁当箱


峠を越す前にランチタイム、今日はバケットをトースターで熱々に焼いてきました。このような時に、やはり自然素材で編み込んだ通気性の良い弁当箱は重宝します。取り出したのは竹弁当箱ではなくマタタビ弁当箱。


マタタビ米研ぎざる


マタタビは水にも強く優しい木肌が手触りも良いので米研ぎざるや、蕎麦笊などにも多用されてきました。元々真っ白い色合いが特徴ではありますが自然素材は使い込むほどに色合いが深まってきます。珍しい弁当箱も結構いい風合いに変わってきました。


虎竹の里


近年あまりありませんが、焼坂の山で一番広い虎竹の竹林から伐り出された竹達は置き場所が無くなってこの場所に幾重にも重ねて立てかけられていました。


焼坂の峠


焼坂の峠を越えて歩くと景色はガラリと変わって竹は一本もなくなります。


竹虎四代目


バタバタバタッ...!大きな羽音をさせてキジが飛んでいきます。マツクイムシに食べられて弱った松の枝が道の真ん中に落ちていたりします。




日本唯一の虎竹は不思議な竹で焼坂の峠までは沢山生えていますのでシーズンには必ずトラックが竹を積んで走りますのでそこまでは未舗装の道路とはいえ、しっかりとした道があります。ところが峠を越えた途端に道が悪くなり、車どころかバイクや自転車も走れないような道になってしまうのです。


焼坂の道


高知は大雨も降るし温暖な土地柄ですので植物の生育も早いので、定期的に手入れされ車の走らない未舗装の道路が自然に還るのは仕方のない事です。


焼坂峠を越えて


峠を越えてから下りの山道では何度も何度も立ち止まり、辺りの山々を眺めます。しかし、やはり面白いくらい竹は一本も生えていません。


焼坂の山道


今では歩き遍路の方しか通らないような細い道をくだって来ると高速道路脇に出ます。そろそろ足が痛くなっていた頃なので、ここまで来ると一安心。


久礼駅


最終の久礼駅に到着したのは遅くなって予定していた汽車を逃してしまいました。安和駅は普通列車しか停車いないので、たった一区間なのに数時間待たねばなりません。地元で一両、二両編成の汽車に乗る機会は、この新春虎竹の里ウォーキングの時くらいなので実は楽しみにしています。走っていると、なぜか子供の頃の気持ちに戻れるのです。


ただし、今日は時間がもったいなのでタクシーで本社まで帰ります。4時間かけて歩いて来た道のりも車なら10分足らず...だから大事なウォーキングです。


新春虎竹の里ウォーキング2019

虎竹の里の元日


今年で7回目となります新春虎竹の里ウォーキングを開催させてもらいました。大袈裟に言ってますが昨年に引き続き今年も一人で虎竹の古里、焼坂の山を目指します。それにしても高知のお正月は不思議なくらいに例年晴れています。今朝も気持ちのよい日本晴れで足取り軽くスタートしました。


猪遊び場


登り口から少し歩くと、ここ数年すっかり定着してしまっている猪の泥遊び場があります。いつ見ても最近使った様子が伺えるので、それだけ頭数が増えている証かも知れません。


猪の罠


田畑を荒らし筍も食べてしまう猪に対抗するめこの様な罠が近年どこの里山でも見られるようになっています。亥年と言えども農作物を荒らされるとなると農家の方々にとっては大きな問題です、新年早々、鉄柵をならべている畑もありました。


新春虎竹の里のウォーキング


日本唯一の虎竹の竹林を眺めながら山道を登っていきます。


虎竹の里の山道、岩肌


焼坂の山道を登ると、このような岩肌があちこちに見られます。決して肥沃ではない土地、植物とってはどちらかと言えば厳しい環境に虎竹は育っている事が分かります。


虎竹の里の遍路札


山道の途中で何か所が細い獣道のような脇道がありますが、これが1200年前からの遍路道です。


竹林の中の遍路道


細く急な遍路道はこのような竹林の間を抜けていきますので遠くから来られたお遍路さんは「この山は何ですか?竹ばかりですね!」と驚き、峠の向こうからは竹が一本も無くなることに又驚きます。


竹虎四代目


自分の歩く道は、未舗装ながら車一台ゆっくりと走れる道幅があります。2トントラックで虎竹を満載して下っていく大切な生活道なのです。


焼坂の鉄塔


会社から見上げると小さく小さく見える送電柱も、近くに来るとこんなに高い!


日本唯一の虎竹


途中にいくつもの竹林がありますが、それぞれ曾祖父や祖父の時代から少しづつ増やしてきた竹林です。色との付具合や太さなどにそれぞれ特徴があります。


虎竹の里


随分上まで登って来ましたので後少し。竹虎の竹林も見えてきました。


虎竹


温かい日が続いているので心配もしていますが、立派な虎竹が生えているのを見ると少し安心するのです。


焼坂峠


この送電線まで来たところが峠になっています。標高228メートル、ここからの下りは山の景色が一変します。


2019年元日、安和川。

2019年元旦、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


安和川は虎竹の里で一番大きな川でありますが、あまり水の流れはありません。特にこの時期は雨も少なく連日晴れる事が多いのでこの通りです。


安和川


お正月に雨とか雪というのはあまり記憶にありません、今年のお正月もお天気に恵まれました。気持ちの良い穏やかな日本晴れ、温かく空は澄んで青く美しかったです。


2019年元旦、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


さて、今年。


元日の朝、祖父がいた同じ場所に初めて立つ事ができました。この橋の下のお話しをします、70年も前の事ですが自分達にとって少しだけ特別な場所なんです。


2019年元旦、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


祖父は、その日も明け方暗いうちから此の河原で仕事していました。終戦で焼け野原となった大阪天王寺から、虎竹の唯一の生産地である安和に裸一貫でやって来た余所者に自由に使える土地などありません。


「空はこんなに青いのに、雨か?」


足元の小石にポツポツと雨跡がついて来たのでそう思ったそうです。


2019年元旦、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


「竹虎は正月も働いているのか...」


見上げると橋の上から心無い通行人の方が竹を切っている祖父に向かってツバを吐いてました。


2019年元旦、竹虎四代目(山岸義浩、YOSHIHIRO YAMAGISHI)


しかし、悔しくて仕方なかった、この場所のお陰で今があります。そうやって守ってきた虎竹と聞かされていなかったら、ずっと前にあきらめていました。


竹の素晴らしさにも気づかずに一生終えていたかも知れません。何のために生まれて来たのかも分からなかったでしょう。そう思うと全てに心から感謝したい気持です。


これで家族勢揃い?白竹ゴミ箱

虎竹、白竹ゴミ箱


お正月に都会から帰省してきた家族や親戚がそろって庭で写真撮影しているかのようです。しばらく欠品していた虎竹ゴミ箱がサイズを一つ増やして戻ってきましたが、今度は白竹も同じようにカムバックです。


虎竹、白竹ゴミ箱、竹虎四代目


同じ編み方、サイズ、形ですが虎斑の入った日本唯一の虎竹と白竹ではこれだけ風合いに違いがあります。どちらが良いという事ではなく、お使いのお部屋の雰囲気やそれぞれのお好みの問題です。


白竹ゴミ箱


一般的に竹と言えば、この白竹を思い出す方が多いようです。この白竹は、元々は青々とした真竹を熱湯に入れて油抜きして製竹してものです。お湯からだして湯気のあがる青竹をウエスで拭き上げると光沢のある黄色い竹肌が表れますが、その竹を冬場の寒空のしたで太陽の陽に干すのです。そうやって晒していると乳白色の美しい竹になることから晒竹(さらしだけ)と呼ばれます。


菊底編み、白竹ゴミ箱


大中小と三種類のサイズが揃った白竹ゴミ箱ですが竹籠を見る時には底編みもしっかりとご覧になってください。おお、さすが熟練竹職人らしいキッチリ編み込んだ菊底編みも見事です。




黄金色に輝く黄金孟宗竹

黄金孟宗竹


この黄金色に輝く竹はどうでしょうか!?


新年にふさわしい縁起の良さ、しかもこの竹は国内最大級の孟宗竹なので背が高く太いから最強の金運アップ!黄金(おうごん)孟宗竹は西日に照らされて葉までキラキラ輝いていて荘厳な感じさえありました。


ゴマ竹、錆竹


表皮にゴマ状のブツブツができるゴマ竹という竹があります。自然界でも立ち枯れの竹には同じようなゴマができたり、庭で雨ざらしになっている竹垣や袖垣にも同じようなゴマが見られる事もあります。黄金竹のような華やかさ派手さはないものの「錆竹」と呼ばれるゴマ竹の枯れたような風合いも竹の美しい一面です。


図面竹


竹は世界を見渡すと約1300種、日本にだけでも約600種もの種類があり奥深く本当に面白いものです。毎週日曜日の朝に放映される関口宏「サンデーモーニング」は沢山の方がご覧になられているのではないでしょうか?画面に映り込む豪華な生け花の中に使われている竹を「竹虎さん所の竹ですよね?」と聞かれる事が結構多いからです。


確かに虎模様が付いている竹ですので一般の方のみならず竹を扱う職人の中にも間違える方がいるのですが、あの竹は図面竹と言ってゴマ竹同様、京都の職人技が産みだす模様です。淡竹(はちく)の仲間である虎竹とは違って孟宗竹が使われるので直径の大きな竹を作る事ができるのです。一年の間に2~3週間しか色づけの仕事をするタイミングがない非常に貴重な竹でもあります。


日本唯一の虎竹


昨日はお正月恒例となっています「新春虎竹の里ウォーキング」でした。名前だけ大袈裟ですが,そう言いながら焼坂の山を一人歩いているだけ、しかし竹林の変化を感じながら新しい一年を思いました。日本唯一の虎竹は山々の内側でしか成育しておらず、峠を越えたら焼坂の山の景色は一変化します。


この不思議な虎竹はもちろん、黄金竹にしろ職人が作る図面竹やゴマ竹にしても結局は自然の力が全て、自然の大きな営みをほんの少しだけ知ることができます。


2019年、新春明けましておめでとうございます。

2019年謹賀新年、亥


竹虎をご愛顧いただきます皆様明けましておめでとうございます!今年も新しい一年のスタートです!何卒よろしくお願いいたします。


すでに忘れかけていますがカレンダー片手に思い起こせば皆様にお世話になった2018年もあれやこれや色々とありました。新年2月からバンコクへ訪問し、それからパリの展示会があり、4月には久しぶりの中国広州に行き6月のクラウドファンディングでは多くの方にご支援頂きお陰様で目標達成させてもらいました。


それから沖縄の竹職人さんに会いに行き、世界竹会議の準備をしたら8月には、いよいよメキシコへ昨年一番の大イベントには沢山の方のお力添えで大成功!ハラパの街を竹トラッカーで疾走する事もできました(^^)


10月には竹トラッカーで帰港した神戸港から大阪まで本政寺でご先祖様に報告し、11月は全国竹の大会熊本竹の新しい可能性に感じ入ります。12月は今年の飛躍にそなえてこの初春を迎えています。


今年は亥年、そして竹虎は創業125年の節目


猪突猛進と言われますけれど竹しか知らない田舎者の自分はなりふりかまわず竹のように真っ直ぐに突き進んで行く事しか出来ません。竹虎の歴史の中でも一区切りとなる今年は竹の強さ、しなやかさの源である竹節のごとき年であると思います。節目の一年を大事にして、竹が地下茎で皆と繋がるように手と手をしっかり握りあい、どんな強風にもしなって折れない、倒れない、人々の心を魅了する清々しい竹林のような年になれば最高です。


今年も一年何卒よろしくお願いいたします。ありがとうございます!