父の時代の小学校の写真を見ると一目瞭然なのが足元の履物です。どの子供たちも見事に鼻緒の履物を履いています。外反母趾という病気は下駄など履いている時代には無かったと言いますから当時のお母さん方は聞いた事もない病だったろうと思います。
さて、そんな事で鼻緒の履物が見直され竹皮草履も室内用のスリッパとしてすっかり定着しているわけなのですが、真竹の皮や孟宗竹の竹皮を使う草履の他にカシロダケ(皮白竹)の竹皮細工をご存じでしょうか?
カシロダケ(皮白竹)とは文字通り皮が白く美しく昔から通常の竹皮とは一線を画する高級品でありました。自然の物ですし色合いに違いがありますが中には本当真っ白で繊細な皮があり希少な素材とされています。福岡県八女郡星野村でしか成育しない竹と言いますので、日本唯一の虎竹のように土壌など特別な自然環境があるのだと思います。
竹虎の竹皮草履は真竹や孟宗竹を使いますが、カシロダケも下駄の表として使われており自分も一足手に入れてもう長いこと愛用しています。その年により竹皮の質も違っているようで自然のものはやはり面白いのです。
しかし、竹皮と言えば必ず思い出す職人さんがいます。皆様がオニギリを包むのに使ったり、少なくはなりましたがお肉屋さんで見かける竹皮の一部にはまだ国産の竹皮が使われていて、その加工、選別が凄いのです。当り前ですが竹の太さは千差万別なので集まってくる竹皮の大きさも一枚一枚違います。竹皮職人さんは、その一枚一枚の品質とサイズを瞬時に見極め、細かく分けられた等級に選り分けられていました。
そのスピードたるや、まさに神技!幅や長さなど竹皮の大きさが何故分かるのか?不思議に思う程ピタリと合っています。こういった縁の下の力持ちの職人さんがあってモノ作りは成り立ってきたのです。
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