初めて知った糸ヶ浜海浜公園、静かに寄せる波、青い空と海がある本当に美しい所です。大分空港から大分市内に向かう途中でもありますので県外からのお客様も立ち寄りやすい場所にある展示は確か今月いっぱいだったかと思いますので機会があれば是非一人でも多くの方にご覧いただきたいと思います。
作者の川島茂雄さんは非常にユニークな取り組みを続けてこられた竹工芸家です。竹の世界では異端児でもあり先駆者でもあり、しかし主な活躍の舞台は海外でしたので作品を初めて拝見できたのは2017年のブラジルでした。もちろん随分前から存じ上げてはいるのですが、前回に作品展でお会いした時には残念ながら美術館での創作中で完成した作品を観られずにいたのです。
外務省が日本のPRのために2017年6月に開設したジャパン・ハウス サンパウロ(JAPAN HOUSE Sao Paulo)オープニング企画展示『竹 ― 日本の歴史』展は、日本人でも知らない日本を知っている、竹の民具の揃え方、展示方法、凄いものでした。この企画展を準備したキュレーター・マルセロ・ダンタス(Marcello Dantas)という方が、外国人でありながら日本の竹に精通した、いかに尋常な方でないのか良く分かりました。
そんな会場に日本唯一の虎竹を使って頂いた四代目田辺竹雲斎さんのインスタレーションが意思を持った生命体のような存在感でオーラを放っています。そして、その横に鎮座していたのが川島茂雄さんの作品でした。JAPAN HOUSE Sao Pauloでの竹インスタレーション、関心のある方は是非ご覧ください。
川島さんは作品作りには、いつも地元の竹を使用されているそうです。JAPAN HOUSE Sao Pauloでの創作にはブラジルの竹を使用されました。それでは竹が無いと聞いていたアメリカでの大型の作品創作はどうだったのか?実はアメリカには在来種はないものの、現在では海外から持ち込まれて育てられた立派な真竹の竹林があるようです。
そう言えば高級住宅街の植栽に竹が欠かせないと聞きますし、虎竹の里にもシアトルの造園会社さんが虎竹を見学に来られた事もありました。20数年前にサンフランシスコで一泊お世話になった竹愛好者の方のご自宅のアパートにも鉢上の竹が沢山ならんでいた事も思い出されます。そこで可能になった竹アートオブジェ、画像からは大型クレーンまで登場して凄いことになっていた事がうかがえます。
大型の竹オブジェ創作には大量に使う竹材の調達も大きな課題になろうかと思います。竹材を日本国内から運ぶとなると今年8月の世界竹会議メキシコまで日本唯一の虎竹電気自動車「竹トラッカー」を輸送したように、その手続はじめ費用面が課題になりそうです。ちなみに竹トラッカーは、あんなに小さいボディではありますが20フィートコンテナ一台を専用に使いましたので輸送費用には302万円もかかりました。
しかし、地元に竹材があるとなれば現地で竹割をして一からの製作になるものの輸送を考えずに済みますし、現地の竹を使い現地で創作される作品に意味合いもありそうです。それにしても巨大竹オブジェ創り、確かに大変な挑戦ではありますが楽しそうに思えてなりません。
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