静かなる竹の異変

竹虎四代目、タイの竹


色々な土地に出かけさせていただき多くの竹を見る機会があります。日本国内だけでなく海外でもそれぞれに興味深い竹があり、人と竹の密接な関わりがありました。民族、文化、習慣が違っても竹の特性は同じです、そこに長い月日をかけて生み出された竹細工には普遍的な美しさを持っています。


羽田国際空港の竹イルミネーション


イネ科の竹の品質は世界でも日本が最高だといつも申し上げています。海外から見れば「竹の国」日本、しかし、この地に暮らす人々にとってはどうでしょうか?


虎竹の里の職人が日本唯一の虎竹が当たり前の普通の竹だと思っているように、外からの視点を持たないと見逃してしまう価値もあります。そういえば今年も羽田空港国際線ロビーには美しい竹林が現れていてイルミネーションが点灯するそうです。まさに日本ならではのお出迎えであり、お見送りに相応しい装飾です。


らっきょう竹


ラッキョウ竹と聞けば、なるほどと納得するような面白い形の竹を知りました。竹細工には不向きで釣竿やパイプなどに使われる竹ですが職人さんの中には竹を扱う内に国内に600種とも言われる竹そのものにも関心を持たれて大切に育てられている方も多いのです。


日本最大級、孟宗竹の花


また、近年は竹林の異変に足を止めることか多くなりました。先日の日本最大級、60年に一度の孟宗竹の開花は記憶に新しいてすが、ここ数年静かに竹林には変化が起こり続けています。


テングス病


テングス病もその一つ、この多さは高知県などという狭い地域ではなく、全国的な流れの予感があります。


孟宗竹


自然の変化を前にして人は、ただ見守ることしかできません。竹の山に来るたびに自分達は生きているのではなく、生かされているのだと感じます。


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