青竹踏みと言いますと、いつでも何処でも誰でも手軽にできる日本古来の健康グッズとして竹虎四代目の30年ブログでは何度も登場してくる竹製品のひとつです。しかし、青竹というのは一見竹を割っただけのものですし簡単そうに思われがちですが、その扱いは非常に大変です。そもそも竹素材そのままで加工されているので手は確かにかかりませんが、手をかけようがないからこそ、同じ太さ、身の厚み、色合いなど厳選せねばならず竹材の確保が必要になってきます。
青竹踏みは青竹と言っても本当に青竹のように自然素材そのままではありません。長くご愛用いただけるように熱湯で竹の油を抜く「湯抜き」という加工をしています、そして十分に乾燥させた素材だけを製品化していきます。一番やっかいなのはカビです、生きた竹なので乾燥させたつもりでも湿度の高い時期などは水分を吸収してカビの原因となります。竹の内側は綺麗な白色をしているためカビも目立ってしまうという事もありますが、カビの発生スピードも驚くほどでキチンと管理せずに少し目を離していると真っ青になってしまう事もあるくらいです。
カビは竹の三悪のひとつですが、そのカビや防虫のために一手間かけたのが炭化加工された竹踏みなのです。高圧、高温で蒸し焼き状態になった青竹踏みは、煤竹のような枯れた色合いになって釜から出てきます。この表皮をグラインダーで磨いていくと何とも美しい光沢がでてカビ止め、防虫効果の高い竹踏み(炭化)が完成です。
そもそも竹は狂いがないことが自慢です、小学校の頃に竹の物差しを使っていた方も多いと思いますが、一昔前の物差しは全て竹製でした。今でも昔ながらの職人が使う物差しは、ほとんどが竹です。ただし、これは竹を一定の幅に縦割した場合に事であり、今回のように半割にした場合には又少し違ってきます。もちろん縦方向には環境変化があったとしても全く長さに狂いはありませんが、湿度や温度の加減により竹が呼吸しているので横方向への伸び縮がでるのです。
炭化加工して出来るだけそのような事がないようにしてはありますが、やはり天然素材です。加工の具合は同じでも、それぞれの竹の個性があり含水率含めて一定ではありません。
平らな場所で使おうと思っていたら、製造時にはしっかり平らにしてあるはずなのに歪みがあって微妙にガタつきが出たりします。これは自然の竹を半割しただけのシンプルな竹踏みという製品ならではのどうしようもない特性と思っていただければと思っています。このような場合には下に厚めのマットを敷いたりすることで解決します。
歪みの少ない炭化加工でも数百本、数千本の中にはこのように縮んでしまう竹踏みもあるのです。
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