孟宗竹の花の話題をずっとお話しさせていただきましたが、竹の事はまだまだ知られていない事が多くその生態はベールに包まれていると言ってもよい神秘的な植物なのです。数千年に渡って人と共にあり、これだけ生活に密着していながら解明されていないとは不思議な気がしますが、それくらい特別な存在なのかも知れないと思っています。
そもそも日本唯一の虎竹はどうでしょうか?淡竹の仲間なので、孟宗竹に少し遅れて筍の季節を迎える虎竹、雨が降った後などにはグイグイと目覚ましい勢いで成長していきます。そして、この青々とした若竹が3年たてば不思議な虎模様が浮かびあがる竹になるのです。
これは何故でしょうか?
実は、現代の科学は、この色付きの理由ひとつ解明できていません。恐らく、この地域だけの土中にある特殊な細菌の作用だと大学の研究者の方は言われています。けれど、それだけでは説明がつきません。
台風が近づくと大きな波の音と共に潮の香りに包まれるほどの潮風が虎竹の里に吹き付けます。この塩分が竹の虎模様の秘密だと推測される方もいます。
もちろん、冬の寒さも色付きに欠かせない事は経験で知っています。しかし、孟宗竹の花と同じように虎竹の事も何も分かっておらず人の手で生み出せるものなど何ひとつないのです。人は竹に寄り添い生かされているだけ。
ただ、それだけなのです。
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