しかし、考えてみたらどうでしょうか?竹の花を咲かせた後は、竹は全て枯れてしまいますがイネ科らしい稲穂のような花にはタネがあり次の世代の新しい命が芽吹いていくのです。そう思えば、確かに暫く間は竹が枯れ竹材としても筍としても利用できない時期が続くのですが終わってしまう訳ではありません。自然な生命の継承なのです。
そこで気を取り直して竹の花を採取する事にします。小枝を採取といいましてもさすがに20数メートルある孟宗竹ですので枝はずっと上の方にあります、山主さんにはお許しを頂いていますので一本伐り倒してみる事にしました。
できるだけ太くて枝ぶりの良い竹を選んで伐り倒します。淡竹(はちく)の仲間である虎竹とは違い、孟宗竹は太さ、身の厚み、長さも数段大きく重いです。
遠くから見ると竹の花が一杯咲いているように見える竹も、一本一本見ていくと実はそれほど多くの枝を付けている訳ではありません。
しかし、せっかく伐採させていただいた竹ですのでウラまで全て枝打ちします。
そうすると少ないように見えた竹の花ですが、山の職人さんと二人で肩にいっぱい担がねば持ちきれないほどの量です。
すでに何人かの方から竹の種についてお問合せを頂いておりましたので、余るくらいあっても良いかと思い山から降ろしてきました。京都大学の柴田昌三先生によると、この竹の種を採って植えてみると斑入りの実生が出てくる事もあるそうです。
竹を種から育てるなど、そうそう経験出来る事ではありませんので少し楽しみです。
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