西日本豪雨の被害をニュースで見るたびに心が痛み、雨の多い地域に暮らす自分達には明日は我が身と考えて備えなければならないと思っています。近年の雨の降り方は、すでに異常気象という事ではなく、温暖化の影響なのか?これが当たり前となってきた怖さも感じます。災害への竹の強さという事を先日もお話しさせてもらいましたが、実は桂離宮の生垣も竹の生命力の象徴のようなものです。
桂垣と呼ばれる、この生垣は約250メートルもの長さがあるそうですが何気に見ていれば普通の竹垣かと見過ごしてしまうほど自然で生き生きとした姿をしています。
ところが、実は裏側には建仁寺垣があって、その垣に敷地内に生えている淡竹をそのまま引っ張り倒す形で建仁寺垣に竹のウラを固定するという一見乱暴とも思えるような設えとなっているのです。実際に裏側から見た事がないので一度拝見したいと思っていますが外側から見ている分には、まさか、そんな造りになっている事など微塵も感じさせません。
桂離宮の東側には桂川が流れていて大雨の洪水時には、この生垣が流木などから守ってきたといいますので竹の生命力の象徴というのがお分かりいただけるかと思います。
背後の竹林の竹を折り曲げる形で、生きた竹の枝葉を使うとは誰が考案したのか知りませんが竹を知り尽くした先人の知恵ですろう。青々と繁る竹葉を見ていると改めて竹の不思議な力を感じますが、これも竹だけではこれだけの生垣にはなりません。竹を活かしきる職人の技が加わり自然災害に負けない竹垣となっているのです。
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