まっこと(本当に)有難いことに、RKC高知放送さんに取材にお越しいただきました。この8月、第11回世界竹会議(11th World Bamboo Congress Mexico)メキシコにお招き頂いていますので自然とお話しはその事となります。世界から集まる竹専門家の皆様に「日本唯一の虎竹」を説明するのには、言葉よりも、竹そのものをご覧いただきたいと思いました。
何を持って行こうか?
竹籠や手提げ籠バックなど持って行くのも良いが、せっかくなら日本唯一の虎竹で製作した竹トラッカーを見て、触って、乗って、虎竹を五感で感じてもらいたい。メキシコまで竹トラッカーを運ぶという思いは、そんな単純な思いからスタートしています。
それにしてもテレビ局の方が余程日頃の行いが良いのかも知れません。先週から決まっていた日程ですが、心配していた台風も土佐湾の沖を通り、それが幸いして気持ちのよい夏空が広がったのです。
お陰で、この虎竹が成育する虎竹の里の山々もご覧頂く事ができます。この見える範囲の狭い地域でしか色づかない虎竹の不思議を知ってもらうには、やはりここでの説明は欠かせません。
竹林に行くとウグイスの美しい歌の向こうから下草刈りをしているエンジン音が聞こえてきました。虎竹伐採のシーズンは1月末で終わっていますが、やはり虎竹の成育が気にかかります。今年は筍が沢山生えて、イノシシの被害が大きかった昨年とは全く違う竹林の風景に安堵します。
しかし、小学校の頃から山に入り60年以上虎竹を見続けてきた山の職人にも近年の竹林の変化は心穏やかにいられない様子です。
正直、温暖化と聞いても、どこか遠くの話であって自分の事とはなかなか思う事はできずにきました。
ところが、この虎模様が少なくなり、その原因が気候の変化にあるとすればどうでしょうか。実は今でも気温の高さではなく、一時的な自然現象であれば...と心のどこかで願っています。そうやって毎年過ごしてたのです。
「霜が降りると虎の色がつく」
そんな自分達に、昔からこの地域に言い伝えのように聞いてきた言葉が重くのしかかります。60年前に真竹を使って開発された欧米輸出用の竹バックを虎竹でリニューアルしました。同じ形でも竹が違えば、こんなに風合いの違う製品に変身するのだと改めと「虎」の美しさと神秘さを思ったことです。
100年前、大阪天王寺で竹材商を営んでいた初代宇三郎が惚れ込んで、遥々と足げく通っただけの事はあります。つい先日、虎竹で長財布とパスポートケースを新しく製作しました。お話しすると笑われる事もありますが、使う度に自分の心が豊かになる、満たされるような竹と共にあって幸せです。
この取材の様子は6月18日(月)午後3:50~4:45の高知放送「eye+スーパー」で放映予定だそうです。高知にしかない虎竹ですが、高知の方でもご存じない方が多くて、まだまだやにゃあといつも思います。高知を知ると、高知って凄いと感じることばかり、ますます好きになるがです。少し時間を取って紹介してくれるそうですきに、是非ご覧ください。
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