日本唯一の虎竹の伐採は1月末までと決められていますが、その竹達が1月にすべて山から出てくるという訳ではありません。伐採して山から運びだすのは大変な作業ですので非常に時間がかかります。急斜面ばかりの虎竹の里では雨が降れば山道が滑って仕事ができなくなる事もあり他の仕事との兼ね合いで伐採期限から2~3ヶ月経った後でもこのような状態の竹林があるのです。
竹林に続く細い山道にこうして置いたままにされる場合もあります。少なくとも江戸時代から竹のための山道と言っても過言ではない道であり、竹関係の人間以外はほとんど歩くことが無い道だと言うことが分かります。
南国土佐の日差しは強く3月、4月でも汗の流れる日があるくらいですが、5月ともなればほとんど夏です。伐採されてそのままになっている竹が心配になりそうですが、それは大丈夫。竹や森の木々が太陽の光を適度に遮って土場で保管するよりも竹にとってはずっと快適です。
綺麗に虎模様の入る竹を改めて見ています。先日、中国10大竹産地のひとつ広東省の広寧という街の広寧竹文化博物館にお伺いする機会がありました。
植栽されている138種類と言う竹の中にも虎竹のような竹は見当たりません。虎竹の里で生まれ育った者にとっては、竹には虎模様があって当たり前と思っている人がいて嬉しくなる事がありますが、世界的に見ても実はこの地域だけの特別な竹である事を改めて思ったのでした。
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